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絶撃の浜風
外伝 赤城編 04 佐世保沖海戦とティレニア海海戦(T)
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々しい存在であると同時に、ここぞという時には同じ仲間である艦娘たちに背を向けてでも命を賭して人類の為に戦ってくれる頼りになる存在でもあった。彼女たちの判断と行動は、大抵の場合間違える事はなく、何時いかなる時も誠実であり続けた。そういう意味では、大本営は一航戦の二人を信頼していると言えた


その赤城と加賀が、この件に介入してくる気配がない・・・・それは、ある意味とても恐ろしい事であった


 これらの調査結果を受け、大淀は某提督解任に関する法整備の必要性を前川特務一等海佐に説き、現行の《提督権限執行権発動条件設定》の見直しを進言、前川はこれを幕僚長に報告した。大本営幹部連は、大淀から提出された草案を元に改定された軍規を国会に提出、法案は可決され、年度内に法制化される見通しとなっていた

ここまでは、大本営幹部連と前川特務一等海佐との見解に相違はなかった

 前川の当初の計画では、外堀を埋めた後、引き続き某鎮守府の内情調査を継続し、某提督の真意を把握した上で対応を検討するつもりであった。だが、大本営幹部連は某に叛意の恐れありと見なし、強制的に排除する意向を示していた

 この異常事態に一航戦の二人が動いていない・・・・この事実が、大本営を動揺させていた。一航戦の赤城と加賀が無力化されているという事実は、前川が思っている以上に大本営にとって極めて深刻に受け止められていたのである・・・・そして国内鎮守府でも随一の戦力を有する某鎮守府の不穏な動き・・・


 かつて大本営のお膝元にあって最大の勢力を誇っていた横須賀鎮守府・・・・そこは現在巨大な円形状の入り江に姿を変えていた。第一次深海棲艦戦争の折、第七艦隊司令部の置かれていたそこは深海棲艦の襲撃を最も激しく受けた場所でもあった。日本政府は軍事拠点を横須賀から呉へと移行せざるを得ず、後の大本営設立も広島の基町に置かれた


 だが、その後現れた艦娘の多くが、今は亡き横須賀軍港周辺に出現した。大本営の置かれていなかった当時、民間の企業や人々が、艦娘の受け入れの場として閉鎖されていた浦賀船渠跡地に暫定的に軍事拠点を建設した。それが現在の【某鎮守府】である

 その時の各鎮守府の戦力比のまま現在に至っている。その所属艦娘の数は某99、呉49、佐世保46、舞鶴26である。単純な数においては、呉、佐世保、舞鶴を合わせてようやく某鎮守府を上回るという陣容であった



大本営が某鎮守府の動向を恐れ、事態の早期収拾に乗り出したのは、無理からぬ事であった



 大本営は、翌年行われる予定のアメリカ建国300周年記念観艦式を利用し、某鎮守府接収プランを立案した
 一航戦の二人に加え、某鎮守府所属の主要艦娘50隻からなる計52隻の艦娘を祝賀航行部隊に派遣させ、戦力を分散の上、某
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