二十話
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った。
「…………」
昨夜、天ヶ崎率いる一味の企みを見事阻止したネギ。最強の一角、エヴァンジェリンの助力があったとはいえ、これは大きな戦果だ。そんな功績をあげたネギだが、彼は現在ホテルのロビーに置かれたソファの中で静かな寝息をたてていた。
何せ昨日は激闘に次ぐ激闘。それに加え今朝は烏族の掟だのと言って去ろうとした刹那を拳を少々含めた話し合いで留まらせたりと休む暇がなかった。今日は今日でエヴァンジェリンの観光に付き合わされた後詠春と会う約束もある。
精神は大人だが体は子供。少しは休まねばもたないとの判断だ。
「うわぁ、かわいい」
「ネギ先生ってこんな顔もするんだ」
そんなネギを取り囲むのは彼の受け持つ3-Aの面々。ネギは普段子供とは思えない雰囲気や仕種、仕事っぷりから特に生徒たちと親しいわけではない。だが、今のネギは体を休めるために寝ている。それはつまり、無防備な年相応の姿が拝めるということだ。
「写真とっても大丈夫かな?」
「あ、私も取りたいかも」
誰が言い出したのか、その人声をきっかけに生徒達は次々にポケットから携帯を取り出し始める。許可を取らずにいいものか、と思うものもいるにはいたようだが本人は寝ていて許可などとれるはずもなく、また、後で叱られようと写す価値はあると全員が判断した。
「止めておいた方がいい」
だが、今まさにシャッターを切ろうとした面々を止める声があった。その声の主は真名だ。
「先生はとにかく勘が鋭い。静かに眺めているだけならともかく、それ以上のことをしようとすれば絶対に目を覚ますぞ」
これは事実だ。ネギは異変があった際すぐに起きられるように基本的に眠りは浅い。今は生徒達が見ているだけなので起きないようだが、それ以外の事をしようとすればすぐさま覚醒する事だろう。
「そ、そうなの?」
「ああ」
真名の即答に彼女の言ったことが嘘ではないと悟った生徒達はネギの寝顔を記録に残せない事を悔やみながら、せめて自分の記憶にはと前以上にネギの顔を凝視するのだった。
「待ち合わせはこの辺りの筈だが……」
睡眠から起きたネギは早速、エヴァンジェリンにそこかしこに連れ回されることになった。短時間の睡眠でも疲れをとることが出来るネギはともかく、一般人の明日菜やのどか。一緒に付いてきた元気なはずの班員ですら、エヴァンジェリンのペースに合わせるのは辛そうだった。
「あ、お父様や」
その場で皆が周囲を見渡し詠春を探す。そして、一番最初に詠春を発見したのはこのかだった。さすがは娘、人混みの中でも真っ先に父親を捜しあてることが出来たようだ。
「どうも皆さん、休めましたか?」
「え、ええ」
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