第四十話 〆切りその十
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「それじゃあそうしていきましょう、これからも」
「それがいいわね、あとモコも漫画のネタにならない?」
母はここで漫画に話を戻してきた。
「そうならない?」
「あっ、なるわ」
言われてみればとだ、咲も頷いた。
「ワンちゃんの漫画も多いわ」
「そうでしょ、特にモコは可愛いしね」
「トイプードル自体がね」
「だったらね」
それならというのだ。
「モコもよ」
「漫画に出来るわね」
「しかも面白い娘でしょ」
「愛嬌もあるし」
「だったらね」
「モコもなのね」
「また漫画描いたらね」
「その時は」
「モコを描いてもいいでしょ」
「そうね」
母のその言葉に頷いた。
「考えておくわ」
「そうしてね、歴史ものもいいけれど」
「動物ものもいいわね」
「だからね」
それでというのだ。
「そちらもね」
「本当に考えるわ。じゃあ今から描いてくるから」
「頑張ってね」
母は娘を笑顔で送った、咲はその笑顔を受けつつ自分の部屋に入った。そうして漫画を描き予習復習も行った。
そして次の日の放課後部活に出て副部長に漫画の進展状況を話すと副部長は少し驚いた顔になって咲に言った。
「プロット終わって」
「はい、チェックお願いしたいんですが」
「早いわね、もう出来たのね」
「逸話がはっきりしてるんで」
「伊藤博文さんの河豚のお話は」
「歴史のお話を読んで」
そうしてというのだ。
「書いてみたんですが」
「そうだったのね」
「それじゃあチェックお願いします」
「わかったわ」
副部長は咲からプロットが書かれたものを受け取って読んだ、それから彼女に笑顔を向けてそのうえで話した。
「合格よ」
「いいんですか」
「今からちょっと訂正入れさせてもらうけれど」
それでもと言うのだった。
「大筋においてね」
「合格ですか」
「ええ、ただちょっとね」
「訂正はですか」
「入れていいわね」
「はい、けれど訂正って入れるのに許可いるんですか」
「中には自分のプロットや脚本に訂正入るの嫌がる人がいるの」
だからだというのだ。
「それでね」
「確認取ったんですか」
「そうなの。けれど小山さんは違うのね」
「それでよりいい作品になるなら」
咲は副部長に何でもないといった顔で答えた。
「いいです」
「そうした考えってことね」
「はい、じゃあ訂正お願いします」
「まずここね」
最初の場面を赤ペンで指し示して話した。
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