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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
継投
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ね?」
緑色の髪をした少女はそこまで言ってから慌てて口を抑える。彼女のその言葉は相当気になっているらしく全員の表情が厳しいものになっていた。
「なんであんなに打てなかったんだろうね?」
「球が遅すぎたのかな?」
笠井と大山が不思議そうに話している。他のレギュラー陣も同様で、なぜ自分たちの打棒が爆発しなかったのか、いまだに理解できていない。
「山口の後だからなのか、何か仕掛けがあるのかはわからないが……できることならここで打たれて消えてほしいな」
「めっちゃ他力本願じゃん」
珍しい大河原の弱音に事の重大さに気付く下級生たち。彼女たちはこのピンチで果たしてどのような投球をするのか、マウンドの少女に全神経を注ぐことにした。
その東英学園の選手たちと離れたところ……スタンドへの出入口の前で試合を観戦している三人。そのうちの二人……銀髪の少女と黒髪の少女は胸元に桜華と書かれたユニフォームを着ている。
「えぇ!?なんか球遅くない?」
銀髪の少女が思わずそう口走る。その言葉を赤髪の青年は否定することなく言葉を紡ぐ。
「俺もそう思う。けどよぉ、あいつは他の投手と同じように無失点で切り抜けているんだ。何かあるって思わねぇか?」
「何かって何よ」
黒髪の少女の問いに首を振る青年。彼がわからないのであればお手上げといったように二人は視線を交わした。
「ただ、恐らくこいつがこのチームでもっとも信頼されている投手のはずなんだ」
「え?二番手なのに?」
背番号1で先発を務める山口。二年生ながらストッパーを任されている大場。試合を作る役割を与えられる先発と試合を終わらせる役割の抑え。その役割から外されている背番号10が重要人物だと、二人は到底思えなかった。
「俺もそう思っていたが、ここまでの記録を見るとこいつだけ登板のタイミングが決まっていないんだ」
「というと?」
「山口は先発だから試合に間に合うように肩を作ればいい。抑えの大場は最後の二イニングしか出てこないからそこに照準を絞ればいい。だが、遠藤だけはそうじゃない。
一回戦は4、5回を投げたが二回戦は3回からの三イニング。昨日の三回戦に関しては2回の途中から1アウト満塁でマウンドに上がってるんだ」
「あ!!もしかして継投が遅れたのって……」
「昨日山口を引っ張れなかったからなんだろうな。遠藤に昨日の疲れが残ってる可能性を踏まえると、少しでもフレッシュな山口を投げさせたいと思う気持ちも頷ける」
前日短い間イニングで降りた山口。そんな彼女がこの日は調子もよかったため、佐々木はギリギリまで引っ張り遠藤を休ませたかったのだ。
「だが予定とは違う展開になっていることは間違いない。
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