第六百四十九話 大団円となりその十
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「大抵の人は」
「あそことギリシアはそうよね」
アンはティンのその言葉に頷いた。
「若い人は特にね」
「剃っていてね」
「お髭なかったわ」
「カエサルもね」
彫刻の彼もというのだ。
「お髭ないわね」
「髪の毛もなかったっていうけれど」
カエサルのこのことはこの時代でも有名である。
「お髭もね」
「そうだったわね」
「まあ髪の毛は薄くなっていてね」
「それでなかったのよね」
「カエサルはね」
連合ではカエサルは好色の悪漢となっている、そして髪の毛のことは常に彼への嘲笑の材料の一つとなっているのだ。
「そうなのよね」
「えらく気にしていたらしいわね」
「カエサルは連合では評判が悪いですが」
セーラがまた言ってきた。
「エウロパでは英雄でマウリアでもです」
「評判いいの」
「英雄なの」
「人類の英雄の一人です」
「そうなのね」
「そう評価されているのね」
「はい」
そうだというのだ。
「そこは連合と違いますね」
「女好きの借金王じゃないんだ」
マルコは連合でのカエサルの評価をそのまま言った。
「そうなんだ」
「その二つのことは知られていますが」
「髪の毛のことも?」
「そうしたことは問題ではなく」
連合では問題とされていることは言うまでもない。
「その資質がです」
「英雄なんだ」
「そう評価されています」
こう話した。
「偉大な英雄だと」
「そうなんだね」
「ローマを作り替え」
「共和制から帝制にね」
「皇帝にはなっていませんが」
カエサルは終生皇帝とはなっていない、あくまで終生独裁官でありそれ以上の存在とはならなかった。
「しかしです」
「その下地は築いたね」
「そうしました」
このことは確かであったというのだ。
「当時ローマはです」
「共和制じゃ限界が出ていたっていうのね」
プリシラに答えた。
「エウロパでは」
「連合では違いますが」
「共和制、民主主義を破壊したってね」
「言っていますね」
「そうした独裁者だってね」
その様にというのだ。
「連合じゃ言ってるわ」
「そうですね、ですが」
「エウロパやマウリアじゃ違うこと言ってるわね」
「統治に限界が出ていたローマをです」
共和制のままではそうなっていたがというのだ。
「帝制に改革して」
「全土を統治出来る様にしたっていうのね」
「そうしました」
「それで英雄なのね」
「そう言われています」
こう話した。
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