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八条学園騒動記
第六百四十九話 大団円となりその七

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「そうなる」
「左様ですね」
「仏教の教えではな」
「私も同じ考えです」 
 セーラはフックに微笑んで答えた。
「まさに」
「そうか」
「はい、最終解脱なぞなく」
「悟りを開いてもだな」
「永遠にです」
「先があるな」
「仏教で言う仏になっても」
 それでもというのだ。
「修行していますね」
「どの御仏もな」 
 フックはきっぱりと答えた。
「修行をしない御仏なぞいない」
「誰一人として」
「そうしてだ」
 修行を積んでいってというのだ。
「よりだ」
「高みを目指していますね」
「ふんぞり返って何もしないでだ」
 そうであってというのだ。
「仏にはなれないしな」
「修行しないとですね」
「自分が一番偉いとか勘違いするとな」
 そうなってしまうと、というのだ。
「もうそれで終わりだ」
「修行もしないですね」
「自分が最高だと思えば」
 その時点でというのだ。
「もうそれ以上はない、自分こそがそれだとだ」
「勝手に思い込んで」
「何もしなくなる、人は天狗にもなるが」
 時としてそうなるというのだ、人間はそうしたことにもなってしまう。自信がそうなる場合もあれば何もしていない輩が勝手にそう思い込む場合もある。
「親が馬鹿でだな」
「甘やかしてですね」
「何もないのにだ」 
 それなのにというのだ。
「それこそ仕事も経歴も資格も家庭も財産も地位もなくてだ」
「そうしてですね」
「何もなくてもな」
 それでもというのだ。
「傲慢にだ」
「なってしまって」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「自分が勝手に偉いとな」
「思い込んで」
「そしてだ」
「修行もですね」
「何もしなくてな」 
 そうしてというのだ。
「成長しない、それではだ」
「仏になることはですね」
「絶対にない」
 それこそというのだ。
「そうなる」
「それが筋ですね」
「そして御仏になってもな」
 それでもというのだ。
「修行は続ける」
「それが仏ですね」
「果てはない、釈尊もだ」
 仏教の開祖もというのだ。
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