第六十八話 入学式その十三
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「そのことお二人にもはっきり言いますよ」
「初対面の人に嫌いって言うのね」
「はい、僕とある野球で知ったかぶりする落語家にも言えますよ」
「ああ、あのしゃもじ持って他の人の家でご飯食べる人ね」
「僕あいつが心底嫌いですから」
だからだというのです。
「岸和田生まれの自称番長とか天下茶屋のボクサー一家も大嫌いですが」
「その人も嫌いでなのね」
「はっきり言いますよ」
会った時はというのです。
「嫌いなものは嫌いですから」
「否定しないのね」
「はい、絶対に。ですから」
「何でそこまで好き嫌いが激しいのかしら」
「元々そうでして」
「わかってるわよ、嫌な人に出会ってきたのよね」
クラスメイトとか親戚の人達にです、そうした人に出会ってきたことも新一君のお引き寄せだったのでしょう。
「それで嫌いな人は、なのね」
「嫌いなものも」
「毎日新聞でオリックスの試合チェックしてるのよね」
「ソフトバンクの試合と」
これはソフトバンクファンだからということは聞いています。
「それでオリックスの試合も」
「オリックス負けてるかどうかよね」
「あのチームはずっと最下位でいて欲しいです」
「怨念感じるわね」
「あのチームは嫌いで」
それでというのです。
「そう願っています」
「全く、けれど佐野先輩や高井先輩に嫌なこと言わないでね」
「絶対顔に出ますよ」
「そうよね、新一君って顔に出るから」
こんなに出る子もいないです。
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