第六十八話 入学式その十二
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「その周りの人達も」
「佐野先輩や高井先輩もなのね」
「お二人共お会いしたことはないですけれど」
それでもというのです。
「嫌いですよ」
「そうなのね」
「はい、お二人も天理大学の人ですよね」
「ええ、そうよ」
実際にです。
「私と同じ学部よ」
「それじゃあお会いすることもありますね」
「多分ね、けれどね」
私は新一君に言いました。
「その時失礼のない様にね」
「わかってます」
「そんなことしたら怒るから」
その時のことも言いました。
「私だってね」
「予告ですね」
「そうよ、絶対に怒るから」
また言いました。
「その時は」
「わかってますよ、僕も」
「私にとっては佐野先輩も高井先輩も大切な人だから」
「あの先輩と一緒なんですね」
「そうよ、お二人にもよくしてもらったから」
高校一年生の時の一年間のことは忘れられません、高井先輩は長池先輩のお友達で私を可愛がってくれましたし佐野先輩は同じ吹奏楽部で何かと教えてもらいました。
「だからね」
「悪く言ったら駄目ですか」
「そもそも新一君お二人に会ったことないでしょ」
「はい、お会いしたいですね」
「それじゃあ今度紹介するわね」
「そうですか、けれど僕お二人も嫌いですから」
本当に嫌いだと全否定するこの癖性分何とかならないのでしょうか。
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