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イベリス
第四十話 〆切りその三

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「そんなことはね」
「やっぱりそうね」
「それってお散歩もよね」
「連れて行かないわ、それでケージの中で鳴いたら五月蠅いって怒鳴って挙句には保健所に捨てるのよ」
「犬を飼う資格がないわ」
 今度は怒って言った。
「最後は捨てるなんて」
「前にもこうしたこと話したわね」
「何度聞いても最低な行いよ」
「そうよね」
「犬でもどんな生きものでもね」
 その種類に関係なくというのだ。
「命をそこまで粗末にしたら駄目よ」
「おもちゃみたいに」
「おもちゃでも粗末にしたら駄目よ」
「ものもね」
「ものも長く使っていたら命を持つから」
 付喪神の考えである、日本は森羅万象に八百万の神がいるという考えがあるのでものも長く使うとそうなるというのだ。
「大事に使わないとね」
「いけないわね」
「そうなのに」
「命あるものは」
「尚更よ」
「最初からそうなら、それをね」
 娘に怒った顔で話した。
「どうせ飽きたらよね」
「そんな感じでね」
「そんな人は知り合いになったら付き合ったら駄目よ」
「お友達に持ったらいけないのよ」
「近寄っては駄目よ、近寄ったら遠ざけなさい」
「絶対によね」
「そう、絶対によ」
 まさにという返事だった。
「命を粗末にする人が友達を大事にするかしら」
「しないわね」
「何かあったら平気で裏切るわよ」
「切り捨てるのね」
「自分だけだから」
 そうしたことを行う輩はというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「そんな人は信じないで」
 それでというのだ。
「傍にいても置いてもね」
「よくないのね」
「命を粗末にする人はね」
「それは絶対ね」
「どうせ自分だけの人だから」
 極めて強い利己主義者だというのだ。
「気をつけてね」
「そんな人は」
「そう、そしてね」
 母は娘にさらに話した。
「モコもね」
「これからもよね」
「大事にしなさいね」
「そちらも努力して」
「そうしてね」
「そうするわ、じゃあ今から漫画描くわね」
「それと予習復習もね」
 即ち学業の方もというのだ。
「忘れないでね」
「そうするわね」
「それで夜更かしもしないで」
 このことも言うのだった。
「極端にはね」
「学校の授業で居眠りするし」
「それもあるけれど寝不足は健康の大敵だから」
「それでなの」
「睡眠不足はよくないわ」
 これはというのだ。
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