第四十話 〆切りその二
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「頑張ってね」
「やるものなのね」
「そう、だからね」
「モコのお散歩なのね」
「頑張って行ってね」
「ワン」
ケージの中でモコが鳴いた、それはその通りよと言っていると思ってだった。咲は笑って母に彼女を見つつ言った。
「そうしてくるわね」
「宜しくね」
「この娘結構好奇心旺盛だしよく動くしね」
「だから目が離せないでしょ」
「子供でも大きな犬でも近寄るから」
それでというのだ。
「吠えたり噛んだりはしないけれど」
「大人しいけれどね」
「小さいし。けれど犬だから」
このことは変わりないからだというのだ。
「気をつけないとね」
「そうよ、トイプードルは元々狩猟犬だしね」
「活発でね」
「よく動いてね」
そうしてというのだ。
「ジャンプもするし大きな相手でもね」
「向かうこともあるわね」
「柴犬だってそうでしょ」
この種類の犬もというのだ。
「結構あれでね」
「気が荒いのよね」
「そうした子もいるから」
「気をつけないといけないのね」
「それでトイプードルもよ」
この種類の犬、モコにしてもというのだ。
「そうした子ということはね」
「頭に入れてなのね」
「お散歩も行ってね」
「そうするわね」
「そのことはお願いね」
こう娘に言うのだった。
「それでなのよ」
「頑張るのね」
「犬のお散歩もね」
こちらもというのだ。
「それで宜しくね」
「そうするわね、じゃあ行ってくるわ」
母にこう言ってモコを散歩に連れて行った、そうしてだった。
その後でだ、咲は家に帰ってモコの足を拭いてから家に上がった。するとモコは自分から進んでだった。
「ワンワン」
「ケージに入ったわね」
「ケージはモコのお家よ」
母はそのモコを見つつ咲に答えた。
「だからよ」
「お家に帰ったってことね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「モコにとってはね」
「そうなのね」
「だから寝るのも」
そうする時もというのだ。
「ケージなのよ」
「いつもそこで寝るのね」
「そうしているのよ」
「そうなのね」
「それでお家の中は遊び場ね」
「そうなるのね」
「けれど何時でも出られる様に」
母はこうも言った。
「ケージは閉めないことよ」
「犬のお家には」
「そう、犬のお家って元々は穴でしょ」
「穴に扉とかないしね」
「だから扉はいつも開けてるのよ」
「じゃあ一日中閉じ込めたりは」
「絶対に駄目よ」
娘に即答で応えた。
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