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八条学園騒動記
第六百四十九話 大団円となりその六

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「ただ動くだけの」
「そうなのね」
「私は若し感情、主観があればロボットも生物だと考えています」
「機械の身体でもなのね」
「身体の問題ではなく」
 例えそれがどういった身体でもというのだ。
「心の問題です」
「心で生物となるのね」
「ですから機械の身体でもです」 
 その身体であることがロボットと言われるがというのだ。
「人間であるとです」
「セーラは考えているのね」
「左様です、ロボットは感情がなく」
「ただ動くだけね」
「インプットされたことを」
「それがロボットであって」
「生きものはです」
 そちらの存在はというのだ。
「しかとです」
「感情があるのね」
「主観が」
「そうなのね」
「悟りを開いても」
 仏教で言うそれを得てもというのだ。
「それでもです」
「感情はあるのね」
「主観は。また悟りを開いても」
 そうなってもというのだ。
「主観はあります」
「それは残るのね」
「そして悟りを開いて終わりかといいいますと」
「終わりじゃない」
 仏教徒のフックが言ってきた。
「まだだ」
「左様ですね」
「悟りを開いてもな」
「そして仏になろうとも」
「それで終わりでなくだ」
「さらに続きますね」
「そうなるとだ」
 フックはセーラに話した。
「言われている」
「仏教ではそうですね」
「だから最終解脱者なぞな」
 二十世紀の終わりに日本に出たあるカルト教団の教祖がそう自称していた、この世の最後の解脱者だとも解脱の最終段階に至ったからだとも言われている。
「ない」
「左様ですね」
「この世では永遠に悟りを開く、解脱した者が出てな」
「解脱してもまだ先があり」
「果てがない、だからな」
「どうしてもですね」
「最終解脱者は存在し得ない」
 フックは言い切った。
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