第六百四十九話 大団円となりその一
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大団円となり
遂にキャンプファイアーの火が消えた、そしてここでだった。
文化祭の閉幕がアナウンスされた、その時にはもう二年S1組の面々もカレーを食べ終えていた。それでだった。
カムイは感慨を込めてこう言った。
「これでだ」
「終わったな」
「そうだな」
洪童にこう答えた。
「これでな」
「今日は休んでな」
「明日は後片づけだ」
「それをしてな」
「完全に終わりだ」
そうなるというのだ。
「本当にな」
「そうだな、今回も長かったな」
洪童はこうも言った。
「そしてな」
「楽しかったな」
「本当にな」
まさにというのだ。
「今回も」
「はい、まことに」
セーラも述べた。
「今回の文化祭もです」
「楽しかったな」
「もう全部が」
「楽しい時間はあっという間に過ぎますが」
それでもというのだ。
「こうして長いならです」
「こんなにいいことはないよな」
洪童は笑って答えた。
「本当に」
「まことにそうですね」
「時間は同じでもな」
それでもというのだ。
「長いと感じたならな」
「それが楽しいことなら」
「最高だな」
「左様ですね」
「こんなにいいことはない」
笑顔で言い切った。
「何でそう感じたかわからないがな」
「今回はですね」
「随分とな」
自分の感覚を確かめつつ話した。
「楽しくてな」
「そして長くですね」
「感じた、どうしてかな」
「それはです」
セーラはすぐに答えた。
「この時が続いて欲しいとです」
「そう思ってか」
「心の底からそうでしたので」
だからだというのだ。
「長く感じたのでしょう」
「そうなんだな」
「確かに大抵は楽しい時間はすぐに終わります」
同じ時間を過ごしてもというのだ。
「楽しい間の一時間は辛い間の一時間なぞ比べものにならないまでにです」
「速く過ぎ去るよな」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「必死に思えばです」
「それでか」
「長く感じることもです」
「あるんだな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
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