第二百三十九話 北への集結その二
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「迂闊にはな」
「戦えないな」
「勝ててもな」
それでもというのだ。
「損害はな」
「出さない方がいいな」
「戦をすればどうしても出るさ」
損害、それはというのだ。
「無傷の勝利なんてな」
「戦ではない」
「絶対に誰かが傷付いて」
そうしてというのだ。
「死ぬ」
「そうなるな」
「だから百戦百勝は最善じゃない」
「むしろ駄目だ」
「百回も戦うなんてな」
そうした状況に陥ること自体がというのだ。
「戦に勝つんじゃなくてな」
「出来るだけ戦わないことだな」
「強い奴と戦いたいなんてな」
久志は笑って話した。
「格闘だけだ」
「そちらのことだな」
「格闘家ならな」
それならというのだ。
「それが仕事だし好きでやってるしな」
「戦うこともな」
「好きで当然でな」
「強い奴と戦うことが好きでもな」
「いいんだ、けれどな」
それでもとだ、久志はさらに話した。
「戦でそれはな」
「失格だね、だって人の命も凄く関わるし」
剛が言ってきた、彼にしても戦をすればどういったことになるかはこの世界での経験も踏まえてわかってるのだ。
「それにね」
「国力も使うからな」
「戦をしても」
「無闇に戦わない」
「それが一番いいよ」
「だからな」
久志は剛に話した。
「今回もそれぞれの部族をな」
「戦じゃなくて外交でだね」
「出来るだけ多く降らしていくな」
「そうするね」
「半島の王国もな」
まず攻めようと考えているこの国もというのだ。
「そのまま王国であることを認めてな」
「豊かになる様にだね」
「技術や金を提供してな」
そのうえでというのだ。
「実際にだよ」
「豊かになってもらうね」
「ああ」
実際にというのだ。
「そうなる様にするな」
「そうしていくね」
「それでな」
久志はさらに話した。
「あそこは特に酪農に向いてそうだってな」
「学者さん達が言ってるね」
「実際にあの国に行ったな」
「だからだね」
「寒さに強い種類の牛や豚、鶏を導入させてな」
「そうしてだね」
「卵や肉、それに乳製品をな」
こういったものをというのだ。
「造ってもらう」
「そうしてそれを食べて売って」
「豊かになってもらう」
「そうするね」
「その条件を出してな」
そうしてというのだ。
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