第六十八話 入学式その十一
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「人は罪は償えば消えるの」
「そうですか」
「というか何よその執念深い考え」
「実際執念深いですから」
「それでも限度があるでしょ」
本当に冗談ではありません、その考えはあらためるべきだと思って言いました。
「じゃあ何?新一君私が止めないと先輩ずっと責めるつもりなの」
「そうしていました、それだけのことしましたから」
「責められる人の気持ちになってみなさい」
「なってです、そんなことしたことを一生後悔させてやる義務がありますから」
「そんな義務ないわよ、本当に先輩にはしないのよね」
「先輩に言われましたし」
「その先輩は私よね」
このことはわかりました。
「私が言ってるのは長池先輩だけれど」
「あの人ですよね」
「ええ、私にとって長池先輩は本当に大切な人だから」
「尊敬されてますね」
「先輩みたいな人になりたいから」
心からこう思っています。
「あんないい人いないし」
「僕とは全然違う見方ですね」
「新一君から見たら最低な人っていうのね」
「はい、残酷で」
「そう言う新一君も自分で残酷って言ってるわね」
「実際にそうですしね」
否定しない返事でした。
「僕は」
「そう言うしね」
「はい、その僕が言うんですから」
「先輩は残酷な人なのね」
「よくそんなこと出来たって思います」
「今もそう思ってるのね」
「そうです、ですから僕あの人は今も嫌いで」
私が言ったのできついことは言わなくてもというのです。
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