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イベリス
第三十九話 素敵な偉人その十一

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「北朝鮮より日本の方がずっといいよ」
「本当にそうですね」
「中にはオウムのテロで権力に反対するならいいって言った人いたそうだし」
「テロで関係ない人が大勢死んで遺族の人が泣いてもですね」
「そんな人達の命や苦しみや悲しみや涙なんて一切考えない考えようともしないで」
 そうしてというのだ。
「オウムが権力狙っていてもね」
「権力に反対しているからですか」
「政府にね」
「だからテロしてもいいっていうんですか」
「その人大坂の上本町のゲームショップの店員さんだったらしいけれどね」
「大阪の人ですか」
「僕その人の話聞いて本気でその人被害者の遺族の人達の前に突き出したくなったよ」 
 オウムのテロの犠牲者の遺族の人達のというのだ。
「生き残った人達でもね」
「殺されるかも知れないですね」
「そこまで人の痛みや苦しみや悲しみわからない位馬鹿なら」
 それならというのだ。
「本気で生きる価値ないって思うからね」
「殺された人達のですか」
「それでお約束で戦前の日本軍の悪事は言ってたらしいから」
「けれどオウムが同じことやってもいいんですね」
「それなら自分が被害者の遺族の人に何されてもいいよね」
「そうなりますね」
「うん、ちなみにそのゲームショップその人雇って数年後に潰れたらしいよ」
 部長はこうも話した。
「何でもね」
「そんな馬鹿な人雇ったからですか?」
 咲は本気で思った。
「お店が潰れたのは」
「そのお店の親会社ごとね」
「潰れたんですか」
「親会社が経営に失敗して」 
 そうしてというのだ。
「倒産してね」
「そのお店も潰れたんですか」
「親会社が潰れたら」
 それならというのだ。
「お店だってね」
「やっていけないですね」
「木が枯れたら幹も同じだよ」
「枯れますね」
「そうなるからね」
 だからだというのだ。
「その時は」
「お店もですか」
「そうなったよ、ただね」
 それでもとだ、部長は咲に話した。
「幹のお店でもそんなね」
「馬鹿な人を雇ってるとですか」
「だって他人の痛みや苦しみや悲しみを全く理解しないし」
 テロで犠牲者が出ても実行犯が権力に反対するならいいとその行為を認めるということは犠牲者の命や権利を無視することに他ならないというのだ。
「理解するつもりもないなら」
「どうしようもないですね」
「そう、どうしようもないレベルの馬鹿でね」
「そんな馬鹿を店員に採用する様だと」
「思いやりも全くないね」
 そうしたというのだ。
「それじゃあ親会社もね」
「知れていますか」
「どんな人がいるか」
 社員にというのだ。
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