暁 〜小説投稿サイト〜
絶撃の浜風
外伝 夕張編 01 平賀の妄執
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に継承される手筈である




 まずは艤装の解体。これは夕張自身の手で行われた。どこをどの程度破壊すると艤装としての機能がどう失われるのか・・・・それを克明に記録した




 そして・・・・・




「・・・ごめんね、明石さん・・・・本当に・・・・これで最後にするから・・・」




 現在も大本営勤務の明石に謝罪のメールを送る。家族には、深海棲艦に沈められた事にして欲しい旨をしたためていた






 「・・・もっとも、真桑瓜(めろん)には覚醒の時にバレちゃうけどね・・・」




因みに真桑瓜(めろん)とは、夕張の末の娘、未来の第三世代【夕張】候補である




そして・・・・





 夕張は家族のいるトラック環礁方面に向けて合掌した





 続いて夕張自身の艤体の解体。これはNC修理ドックにて行われた。利き腕の右手と、頭部を残し、意識を失わない程度に足の先から徐々に結合部単位で解体していった

 左腕と腰から下は粉々に破壊した。其の辺りで意識が混濁してきたので中止、その状態で高速修復材の効果を実験した。予想通り、殆ど効果が見込めなかった



「・・・そう・・・・か・・・・・あのと・・・き・・・・・の・・・・・・」



 夕張は、それ以上言葉を紡ぐことは出来なくなっていた

 艤装が無事であれば、かなり酷く艤体が破壊されていても高速修復材で治せる・・・・だが、例えコアが無事でも艤装が破壊されてしまっては、高速修復材の効果は殆ど見込めない事が確認された

 夕張にとって長年の懸案事項が、ここで今はっきりと解消された



 そして、最後の実験・・・・・コアの破壊である
 


 夕張の推測では、コアは艦娘の生命そのものであり、これを破壊すると艦娘は絶命する


 修理ドックに横たわり虫の息の夕張からも見えるように、モニター越しにコアが映し出されていた

 映像を含めた各種データが滞りなく記録されてゆく


 そして・・・


 一本だけ残された夕張の右手には、NCドックに入力されている次の実行プログラムを起動するためのリモコンが・・・・握られていた



「・・・・・あ・・・・ぁ・・・・・・・・・・」



 既に肺が機能を停止し、呼吸も出来なくなっていた。あと十数秒で意識を失うであろう・・・だが、夕張は自身の絶命の瞬間は、どうしても自身の目で目撃したかった





「・・・ピッ・・・・」




少しの迷いもなく、リモコンの・・・スイッチが押される





そして続けて500tの超高圧プレスにセットされたコアに圧力がかか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ