外伝 夕張編 01 平賀の妄執
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
夕張・・・・・・その第二世代・・・・
その数か月後には・・・・・四人の子供を身籠っていた。末の子は女の子で・・・・夕張の・・・・未来の第三世代であった
それから、年月が過ぎ・・・
誰も立ち寄らなくなったルンガ泊地跡地に、夕張は来ていた
15年前、夕張はここに廃棄された設備を回収しに訪れていた。それを元に第二海上護衛隊の強襲揚陸艦に追加の浮きドックを建設した
当時の夕張の報告では、ルンガ泊地跡地には、もう目ぼしい物は何もなく、殆ど廃墟に近いとの事であった
だが、本当は違う
当時のルンガを撤収した提督や艦娘たちは、余程慌てていたのか、鎮守府の設備の大半がそのまま残されていた
だが、大量の資材を未回収のまま撤収したとバレれば、その責任は免れない
そこで当時のルンガ提督は、鎮守府の大半が深海棲艦の攻撃により壊滅したと虚偽の報告をしていたのであるが、
実際は、開発工廟はおろか、大量の資材や高速修復材も、そのまま残っていた
要するに、あの時から夕張の技術屋ライフは密かに再開していたのであった
夕張は時々ここに訪れては、様々な実験を繰り返していた
その実験の大半が、艤装の調査に費やされていた。そしてその結果、夕張は一つの推論に行きついていた
マッドサイエンティスト、夕張・・・・だが、そんな彼女が今や家庭を持つ主婦・・・・四人の子供たちを抱える母親であった
《最後の実験》を実行するに当たり、子供たちが成長し大きくなるまで待っていたのである
夕張の行きついた推論・・・・それは艤装とそこに内包されるコア、そして艦娘との関係であった
艤装に内包されているコアは、艦娘の生命そのものであり、それを破壊されると艦娘は絶命する
艤装は、コアが持つ生命力に様々な機能を付与する重要なシステムである。艤装が破壊されれば、例えコアが無事でも艦娘としては戦えない・・・・
艤装が破壊されたまま艦娘が負傷すると、自己修復が出来なくなり、高速修復材も殆ど機能しない
それが・・・・夕張が行き着いた《艦娘の深淵》であった
結局の所、夕張はこの飽くなき知的好奇心を・・・・とうとう抑える事が出来なかった
この日のために、彼女は準備をしてきた
以前明石の元で働いていた時に作成した、NC修理ドック・・・今回これは解体に特化したカスタムが施されていた
データは全て記録され、当鎮守府跡地に保管される。続きは第三世代が覚醒した時
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ