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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第22話 兄妹
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 シリカはファンに(ことわ)ると言った後、俺の手を引きファンを背に歩き始めた。
 シリカは、このSAOの中では最年少の方だからか育ちが良いのかは分からないけど、普段は誰にでも丁寧に(せっ)する。
 けど、手を引いてまで速く立ち去ろうなんて、よっぽど速く立ち去りたいんだな。

 そう思って俺は、そのままシリカとアルゴとの待ち合わせ場所に、少し悪いと思いながらも後ろを振り返らずに向かい始めた。



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「着いたけど、ちょっと早過ぎたな」
「そうですね。待ち合わせの時間まで、あと40分はありますよ」
 現在午後1時18分、待ち合わせは2時なのでシリカが言う通り、あと40分位はある。
 今、この待ち合わせに使う店の中には、あらかじめアルゴが予約を入れていたので、俺達以外に誰もいない。
 先に着いた俺とシリカは、前もって教えてもらっていたパスワードをNPCに言って、先に入ってまっている訳だ。

 この際二人きりだし、さっきのファンの事を聞くいい機会かもな。
「なぁ、シリカ。さっきの奴、俺と離れてからどれ(くらい)でよって来たんだ?」
「えっと、シュウさんが離れて1分か2分ですね」
「……ということは、3分から4分くらいはめげずにシリカを誘ってたのか…」
「そうですね、本当に困っちゃいましたよ。何回断っても諦めないので」
 それは相当…だな。
「だからシュウさんが帰って来た時は、ほっとしましたよ」
「そうか? なら良かったよ。……それよりシリカさ〜」

 シリカが安心したなら、この件についてはもういい。
 だけど俺は、他に自分でも最近慣れつつ…というか、もう慣れてしまった事について聞く事にした。
「ぶっちゃけて聞くけど……俺の妹って言うことに慣れてきてない?」
「………え〜と……はい…」
 俺の言葉に、言い(にく)そうにシリカは返事をしてくれた。
 そう、これは俺も感じている事なのだ。
 シリカは俺の妹。この事が最近、俺の頭に定着してしまった。
 その為、俺達の事を兄妹じゃないと知らないプレイヤーがいる所では、無意識の内に『兄』を演じてしまうようになってきている。

「…言いくいですけど…その…シュ、シュウさんはあたしの憧れの人でもあります。…でも、シュウさんはあたしのお兄ちゃんで……って、本当は違いますけど、なんかその事があたしの中で定着してきていて……うう、な、何言ってるんですかね。あたし……」
 シリカは顔を赤くしながら恥かしそうに俺に言ってくる。
 …シリカも俺と同じか聞きたいから、この話をふったんだが…同じだな。この感じだと。
「大丈夫だよ、シリカ。俺も同じだから」
「え!? そうなんですか?」
「ああ。それに俺なんてアスナ
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