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俺、ツインテールになります。外伝〜追憶のテイルチェイサー〜
Episode1 「起動」
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アンが呟く。
「美しさに重きを置きすぎるな、とあれほど言っておいたが……馬耳東風であったか…」
呆れたように、それでいてどこか哀しげに溜息をつく。
「帰還要請が来ておりますが、如何致しますか?」
雀のような姿をしたエレメリアンが、隊長に近づく。
「無論、応じる。到着を待つように伝えておけ」
「はっ!」
雀型のエレメリアンは、早速その旨を伝えるための手紙を書き始める。
「致命的な弱点を抱えていたとはいえ、副官を任せられる程度には強かった、あのラードーンギルディが敗れ去ったのだ。その世界のツインテールの戦士との戦いは、いくらか楽しめるかもしれんな……」
腕を組みながら、スクリーンを見上げる隊長エレメリアン。
送られてきた映像で戦うトゥアールの姿を見ながら、隣にいる雀型エレメリアンの名を呼ぶ。
「スパロウギルディ」
「はっ。なんでしょうか、ドラグギルディ様」
「到着したとしても、スワンギルディだけは出撃を控えるように伝えておけ。奴はまだ若く、まだ鍛え甲斐のたる戦士だ。万が一にでも失うわけにはいかん」
「わかりました。伝えておきましょう」
真っ赤なマントを翻し、会議室を去るドラグギルディ。
そう。この世界の終わりは、見知らぬところで着々と歩みを進めていたのだった。
◇
深夜0時数分前 ラボ
「……」
起動する
(
めをさます
)
と、まず見えたのは蛍光灯の明かりに照らされた、白い天井の研究室だった。
カメラアイからの画質は良好、集音システムにも異常無し。感度良好。
次は動作の確認だ。
起き上がると、私は金属製の作業台の上に寝かされていたことを確認する。動作にも異常はなさそうだ。
そして辺りを見回すと、白衣を着た銀髪のツインテールのヒトが、目を大きく見開き、両手で口を抑えて立っていた。
顔を認証する。なるほど、この人が私の
製作者
(
マスター
)
で、名前はトゥアールというらしい。
「おはようございます。あの……何をしているのですか、マスター?」
トゥアールは私をじっと見つめ続け……やがて一言、こう言った。
「おはようございます、シルファ」
「……いえ、夜明けまではまだ5時間以上ありますね。『おはようございます』では不適切だったでしょうか?」
これで合っているのだろうか……と思い、首を傾げる。
「ああ、そうでした。今はまだ真夜中でしたね……って、もうこんな時間!?」
今度は驚きながら時計を眺めるトゥアール。
表情の変化の多い、忙しい人だな。と思った。
そして、最初の会話として、ひとつ確認する。
「あの……」
「は、はい?なんですかシルファ?」
「シルファ……
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