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冥王来訪
第二部 1978年
ミンスクへ
ベルリン その4
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だいぶ疲れているのだろう
ふと周囲を見回す
軍用車の後部座席に三人掛け
右の助手席にはハンニバル少佐
運転席には新任の伍長
最近転属してきたというから、補充兵であろう
先月までいたウクライナ戦線は去年の夏ごろと違ってBETAが少なかった
やはりカシュガルハイヴを中共軍が焼いた御蔭であろうか……

 彼は、脇に居る同輩に尋ねた
「今からどこに向かうんだ」
同輩の黒い瞳が動く
緑の黒髪が逆立つ様が分かる
「君は昨日、何を聞いていたんだい。
また、妹さんの事でも考えていたんだろう。
今日は、今から日本軍の連中に会って、簡単な茶会をして、我々の宣伝をする。
そうやって司令官から訓示を受けたではないか。
人の気持ちも分からないから、僕が居なければ君は本当に駄目なんだね」
隣にいる少将は失笑する
前に居る少佐は顎髭に手を伸ばして正面を見ていた
「同志中尉、あと15分ほどで着きますから、それまで頭をスッキリさせて下さいよ」
運転する伍長が声を掛けて来る
ポツダムの司令部からこんなに早く着くとは……
 彼はそう思うと、車窓から外を眺めた
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