第六十八話 入学式その八
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「あの子依怙贔屓大嫌いだって言ってたわ」
「そうなのね」
「人は公平に平等にって言っていて、人以外にもね」
「それはいいことね」
「そういうところはね」
私が見てもです。
「いいわね」
「じゃあ大丈夫ね」
「それでも嫌いな相手は凄く嫌うけれど」
「そうした人は別ってことね」
「そうね、それが問題だけれど」
それでもです。
「出来るだけ公平にっていう考えね」
「そのことはいいことね」
「ええ、あの子もね」
新一君なりにです。
「しっかり考えているのね」
「それも真面目にね」
「贔屓は嫌いっていうから」
「そうしたところは見てあげなさいね、千里も」
「わかったわ、それじゃあね」
私はお父さんとお母さんと一緒に登校しました、そしてです。
入学式に出て色々学校のことをしてでした。詰所に戻りますとお父さんに笑ってこんなことを言われました。
「まだ着替えない方がいいぞ」
「どうしてなの?」
「彼にその振袖姿見せてあげるんだ」
こう言うのでした。
「そうしてあげるんだ」
「彼って新一君?」
「もうすぐ絶対に来るからな」
だからだというのです。
「そうしてあげるんだ」
「新一君になの」
「いいな」
「それじゃあ」
こんなお話をしていると詰所の入り口から天理高校の黒の詰襟の制服を着た背の高い男の子がやって来ました、鞄も天理高校のものです。
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