第三十九話 素敵な偉人その三
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「何でもいいんだ」
「何でもですか」
「描く題材はね」
「そうですか」
「それが誰かを貶めたりするものでなかったら」
それならというのだ。
「もうね」
「いいですか」
「僕自衛隊描くつもりだけれど」
「自衛隊ですか」
「僕自衛隊好きだしね」
「そうなんですか」
「特に航空自衛隊が」
この自衛隊がというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「航空自衛隊を描くけれど」
「貶めることはですか」
「考えもしないよ」
「じゃあ格好よくですね」
「描くよ、応援みたいにね」
そうした感じでというのだ。
「描くつもりだよ」
「そうですか」
「そしてね」
それでと言うのだった。
「〆切までにね」
「完成させますか」
「そうするよ」
「描く対象を貶めない」
「うん、風刺でも相手を貶めたら」
そうして描くと、というのだ。
「もうそれは風刺じゃないよ」
「そうですか」
「もどきだよ」
「風刺のですか」
「うん、風刺は相手へのリスペクトもないとね」
「駄目なんですね」
「一歩間違えたらね」
それならというのだ。
「只の差別の助長にもなったりもね」
「なりますか」
「実際にアメリカのハーストっていう出版社が酷くて」
米西戦争等で悪質な記事を発表し続けスペインへの敵愾心を煽っていた。そして日本への反感もそうしていた。
「今の日本のタブロイド紙みたいにね」
「やっていたんですか」
「その風刺画もね」
ハーストのそれもというのだ。
「もう差別と偏見を煽る」
「そんなものになっていましたか」
「だから風刺もね」
この漫画もというのだ。
「相手へのリスペクトはね」
「大事ですね」
「そうなんだ、実際ある大学教授が自衛隊の悪口ばかり言っていて」
そうしてというのだ。
「その人の本もね」
「自衛隊への悪口ばかりですか」
「その本の挿絵もで、そしてこの教授は」
自衛隊を攻撃ばかりしている彼はというのだ。
「北朝鮮と関係があったんだ」
「あの国ですか」
咲はその国の名前を聞いてすぐに眉を顰めさせた。
「あの国はもう」
「どんな国か言うまでもないよね」
「はい、もう」
「自衛隊とどっちがいいか」
「もうそれも言うまでもないですね」
「そんな人が悪口言ってたんだよ」
自衛隊のというのだ。
「散々攻撃して貶めていたのでおかしいと思ったら」
「そんな人ですか」
「北朝鮮にも行ったことのあるね」
この国は自分に友好的な人物の入国しか認めない。
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