2-?
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
まいなー」
それ、ウチが作ったもんじゃぁ無いもの― 焼いただけー おまけに・・
「なんだ これ 三角だか丸だか わかんないおにぎりはー」
「しゃないやろー 初めてなんだから・・」と、私は、下を向いていた。恥ずかしかったのだ。やっぱり、作って来るんじゃぁなかったと後悔していたのだが
「でも、うまいよ この玉子焼きなんかも少し焦げたところなんか これが 真珠の味かー 又、ちょこちょこ作ってくれよな―」
又、不意打ちされた。でも、嬉しかった。又、ちょこちょこって・・。胸にズーンと来ていた。
その後、又、画き始めたのだけど、私の絵を見て
「なんだよー その鰻が横たわってるみたいなの 川だって、深いとことか浅いとこあるだろー 光のあたり具合だって場所で違うしさー 家だって、もっと高いの低いの違うはずだし、黒い瓦だって、同じ黒でも色が違うだろー もっと、丁寧に見て画けよ おおざっぱすぎるよー」
「うー だってさー わかったわよー けどさー 昂も何よー 狛犬って 眼と口だけやんかー こんなんじゃぁ 何かわからへんやん」と、私は、反論していたが、よく見ると、細かく黒と白を塗り重ねて画いていた。だから、迫って来るようで・・離れて見ると狛犬の顔ってわかるんだ。私は、それ以上、言葉が出なかった。
それからは、私は、出来るだけ一つ一つを見るようにして、丁寧に画き上げて行った。もう、段々と陽が西に傾き始めていたのだけど、暑くて、汗が画版に落ちるのだけど、タオルで拭きながら、画き続けた。時たま、昂君が、大丈夫かと声を掛けてくれていたり、水で冷やして、絞ったタオルを私の被っていた野球帽の上から掛けてくれたりしてくれていた。やっぱり、ああ見えて優しく気を使ってくれるのだ。
そして、陽が沈もうとしてた時、なんとか、絵のほうは恰好がついたので、帰り支度をして
「きれいだね 夕陽 感動するわー」と、昂君を木陰に引っ張って行ったのだ。私は、昂君のホッペにチュッとして
「いろいろと、気、つかってくれて、ありがとうね 今のは、ただのお礼だからね 勘違いせんとってやー でもね、昂 ウチのこと見ててね 蘭ちゃんに取られたら嫌やから でも、今のは、内緒にしててな」
「まぁな トマトパンツ 見れなかったけどな」
「ウー 見るとこちゃうわー バカ昂」と、カバンで思いっきり叩いて、坂道を降りて行った。今日、私は、綿のショートパンツで来ていたから・・。今度は、手をつないでくれなかったけど、途中、私の中の小悪魔が・・
「残念だったね スカートちゃうから見れなくて だけど、トマトちゃうでー 今日は 白いのん お尻にフリフリついているけどなー」と・・・
陽に焼けたせいもあるけど、なんてこと言ってしまったのだろうと、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ