脱出劇
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死を見てきた。特に彼は一度三大竜を結成しているうちの二人の死を見ている。それが彼の今の感情に大きく影響しているのかもしれない。
「後悔するぞ?もう次はないかもしれん」
「覚悟の上だ。俺たちは如何なる困難も乗り越える!!俺たちの力でな!!」
やれやれといった表情の天使。彼は自身の顔を掴んでいるローグさんの手を掴む。
「こうなれば実力行使だ、後悔するがいい」
彼が何をしようとしているのかすぐにわかった。ローグさんの腕をへし折ろうとしているのだ。それに彼も気が付いたが、その手を振り払うことが出来ない。
「幻竜の鉄拳!!」
「「!?」」
しかしそれを許すことはない。ローグさんの後ろに空間を作っていたグラシアンさんがそのまま天使の手を殴る。その反動で握力を維持できなかったのか、あっさりと手を離していた。
「お前・・・俺の腕も折るつもりだったろ?」
「そのくらいの気持ちで行かなきゃ無理だったよ」
「確かにそうか」
ローグさんもその反動で手を離していたが、今回はそれが幸いした。そのまま二人揃って後方の空間へと飛び込むように入っていく。二人が入っていくのを確認すると、ミネルバさんも全員が脱出したのを確認して空間を閉じた。
第三者side
荒れ果てた部屋、そこに一人取り残された天使は今まで活動してきた人間の姿へと変身すると、大きなタメ息をつく。
「やれやれ・・・君たちは最大のチャンスを逃してしまったね」
あと少しで果たせた目的。しかし、それを目前にして妨害されたことで彼はフツフツと怒りを感じていた。
「殺すのはいけないかもしれない。なら、こういうのはどうなんだろうな」
窓から空を見上げる。彼はしばらくそのままの姿勢でいると、再び中に戻りニヤリと笑みを溢した。
「五体不満足にするのは、果たしてご法度なのかな?」
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