第二章
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そこに行くとだ、何と。
髪を振り乱した剣呑な顔つきの白い襦袢の男がいた、異様に痩せていて雰囲気は禍々しい。その手には槍がある。
その槍を見て大岡は男に問うた。
「その槍は何か。奉行所で話を聞こう」
「・・・・・・・・・」
男は答えない、それどころか。
槍を構えて前に出た、それでだ。
大岡はすぐに刀を抜いた、与力や同心達もそうした。だが。
大可は男と一騎打ちに入った、それで他の者達に告げた。
「よい、それがしが倒す」
「ですが相手は槍です」
「刀では不利です」
「ですから」
「それがしに任せるのだ」
こう言ってだった。
彼は一人で男の相手をした、男が槍を繰り出すと。
その槍をかわしそこからだった。
上から刀を一閃させてだった。
槍の穂先の部分を切った、そうして槍を無力にしてだった。
そこから突きを繰り出し男の喉を貫いた、これで終わりだと思ったが。
「消えた!?」
「まさか」
「煙の様に」
誰もが男が消えたのを見て驚いた、そして。
後には何も残らなかった。これには大岡も他の者達も唖然となった。
「これは一体」
「あの男何者であったか」
「倒せば消えるなぞ」
「これは人ではない」
「人とは思えぬ」
こう言うばかりだった、そして。
大岡はこの場は去りその後で調べものをした、そして奉行所の者達に話した。
「あの男人ではなかった」
「やはりそうでしたか」
「どう見てもおかしかったですが」
「やはりそうですか」
「人ではなかったですか」
「通り悪魔という妖怪であった」
そうであったというのだ。
「あれはな」
「通り悪魔ですか」
「何処かで聞いたことがありますな」
「そうした妖怪がいたと」
「その様に」
「そしてその通り悪魔であるが」
大岡はさらに話した。
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