暁 〜小説投稿サイト〜
八条学園騒動記
第六百四十八話 牛を観つつその十一

[8]前話 [2]次話
「一体」
「当時のモンゴルで」
「羊肉とね」
 そしてというのだ。
「馬乳とね」
「その乳製品ですね」
「そうしたものばかりなのよ」
 当時のモンゴルの食事はというのだ。
「お茶もね」
「その頃はですね」
「なかったのよ」
 モンゴル人が茶を飲む様になったのはティムールからである、彼が生水ではなく一旦沸騰させた白湯を飲ませることにした為にそこから茶を飲む風習がモンゴルに入ったのだ。生水を飲ませなかったのは水にあたることを警戒したからである。
「これがね」
「そうでしたね」
「それでヴィーガンとか」
 そうしたことを言ってもというのだ。
「何食べるのって」
「なりますね」
「本当にないわよ」
 食べるものがというのだ。
「当時のモンゴルだろ」
「ヴィーガンなら」
「ヴィーガンはそうした農業があってこその」
 この前提が存在してというのだ。
「成り立つものよね」
「森に暮らしていても海に暮らしていてもだ」
 ダンが言ってきた。
「やはりだ」
「動物性蛋白質を摂りますね」
「森にいたら木の実や山菜、茸があるが」
 それでもというのだ。
「それだけだとな」
「暮らしていけないですね」
「とてもな」
 こうセーラに話した。
「限度がある」
「お肉も食べますね」
「川で魚もな」
 こちらも獲ってというのだ。
「さもないと餓え死にする」
「自分がそうなりますね」
「そうなる、そして海だとな」
 ダンはむしろそちらが本場だった、家族で水族館を経営しているだけにこのことははっきりと言えた。
「海草だけじゃない」
「魚介類ですね」
「それを食わないとな」
「生きていけないですね」
「そうなる」
 絶対にというのだ。
「魚に貝類、甲殻類にな」
「烏賊も蛸もですね」
「海鼠もな」
 こうしたものもというのだ。
「食える」
「海鼠もですね」
「マウリアでは食わないか」
「食べないですね」
 セーラは海鼠にははっきりと答えた。
「そちらは」
「そうか」
「他の海の幸は食べますが」
 それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ