第六百四十八話 牛を観つつその九
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「食べないのよ」
「そうした人達だな」
「ペペロンチーノとかね」
「あと野菜だけを使ったな」
「そうしたものばかりよ」
スパゲティを食べるにしてもというのだ。
「ラザニアだってね」
「挽き肉なしだと」
セドリックが寂しそうに言った。
「もうね」
「ラザニアとしてよね」
「物凄く悲しいよ」
「私もそう思うわ」
ルビーも同意であった、彼女にしてもラザニアは挽き肉も入っていないとラザニアとしては失格だった。
「それじゃあね」
「入っていても」
セドリックはそれでもと話した。
「人工肉かな」
「いや、それすらね」
人工肉すらというのだ。
「ヴィーガンの人ってね」
「食べないんだ」
「お肉はお肉だからって」
「人工でもなんだ」
「そう言ってね」
それでというのだ。
「食べないのよ」
「そうなんだ」
「だからね」
「本当にお肉入っていないんだ」
「人工すらね」
「それじゃあね」
セドリックはあらためて悲しそうに述べた。
「もうね」
「美味しくないわよね」
「というかラザニアではなくて」
そうではなく、というのだ。
「チーズとラザニアの生地とトマトだけの」
「別のお料理ね」
「というかチーズもだね」
「極端になるとね」
ヴィーガン主義者達もそこまで至ると、というのだ。動物性蛋白質は兎角一切口にしないというのだ。
「駄目よ」
「チーズも駄目って」
「本当に極端でしょ」
「牛乳もその原料だし」
「飲めないわよ」
「そうだよね」
「だからね」
その為にとだ、ルビーは話した。
「栄養バランスがね」
「悪いですね」
セーラが言ってきた。
「それでは」
「どう考えてもね」
ルビーはセーラにも応えた。
「そうよね」
「そしてそれが精神にもです」
「やっぱり影響するのね」
「そうした方がおられます、ですがマウリアでは」
「そうした人はなの」
「私の知る限り見当たりません」
こうルビーに答えた。
「菜食主義であってもです」
「牛乳を飲んで」
「チーズやバターもです」
こうした乳製品もというのだ。
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