第十一話 合コンその九
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「俺はそう思うな」
「そうなのね、けれど犬の方がよくない?」
留奈は兄の言葉を受けてこう返した。
「猫よりも」
「お前犬派か」
「そうじゃないけれど猫は悪戯するけれど」
「犬はしないか」
「だからね」
それ故にというのだ。
「犬の方がね」
「飼うならいいか」
「番犬にもなるし」
「それでか」
「お散歩で運動も出来るし」
犬を連れてというのだ、犬にとって散歩は絶対のことなので欠かしてはいけないことの一つであるのだ。
「それでね」
「犬の方がいいか」
「そう思ったけれど」
「犬は確かに性格がいいな」
兄もそうだと認めた。
「確かに」
「そうでしょ」
「その子によるにしても」
「素直で謙虚でね」
「そうだな」
「だからね」
そうした性格だからだというのだ。
「今思ったけれど」
「犬の方がいいか」
「猫よりもね」
「そういえばそうか」
「まあ猫も好きだけれどね、私」
留奈はこうも言った。
「実は」
「犬も猫も好きか」
「生きものは何でもね」
「博愛主義者か」
「そう言われるとそう?」
留奈も否定しなかった。
「これまで考えたことなかったけれど」
「そうかもな、それはいいな」
「嫌いより好きでいた方がいいわよね」
「出来るだけな、自分以外の生きもの全部大嫌いだとな」
世の中そうした輩もいる、それこそ周りの生きものを全て殺そうとする鼬の出来損ないの様なものであろうか。
「自分以外の生きもの全部からな」
「嫌われるわね」
「嫌うとな」
そうすればというのだ。
「嫌われるんだよ」
「相手を嫌えば自分もその相手から嫌われるのね」
「相手も嫌われてるのがわかるからな」
それでというのだ。
「相手も嫌うんだよ」
「自分を嫌う相手好きになるなんてね」
「まずないだろ」
「嫌われていて意地悪とかされたら」
それこそというのだ。
「もうね」
「嫌いになるな」
「当然ね」
「だからな」
「自分以外を嫌うなら」
「自分以外の全ての生きものから嫌われるぞ」
「この世界の全部じゃない」
そう言われてだ、留奈はこう言った。
「自分以外の生きもの全部って」
「だからあまりにも自分だけでな」
「自分だけが可愛くて」
「自分以外の全てを忌み嫌っているとな」
「この世全部から忌み嫌われるのね」
「そうだよ、そんな奴そうそういないと思うけれどな」
「そこまでいくと信じられないわね」
留奈は顔を顰めさせて応えた。
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