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絶撃の浜風
外伝 大本営編 01 暗部
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決定を掌握する必要があると考えたのである



 艦娘の艤装は、初代艦娘と所縁の深い鎮守府の艤装格納ブースに召喚された。大本営はこの格納ブースを霊廟と呼び、人を遠ざけ、ある細工を施した



 当時の人類は、ナノマシンによる生体の神経系への干渉技術を習得しつつあった

 思考などの部分には干渉できないが、手足や臓器、視神経や聴覚にまで干渉しうる技術である。四肢の制御を奪い、心臓を停止させる事も可能である

 ただ、これは人道に反するというごく当たり前の帰結により、一般には人に行使されることはなかった。使われたのは、凶悪な犯罪者やテロリストの自白拷問用としての他、死刑の執行や、家畜の屠殺などである


 この技術は艦娘には効果がない・・・・厳密に言うと、第一世代の艦娘には100%効果がない


 過去にこれを試そうとした科学者が、とある艦娘を騙してナノマシンを体内に注入し、あらゆる神経系に干渉する実験を行ったが、全くの効果がなかった

無論、事が公の知る所となり、そのものは処罰・・・処分された




しかし・・・しかしである

今の艦娘ならどうか。人と艦娘とが交わった存在である、第二世代以降の今の艦娘なら・・・・


科学者とは、知に対しあまりにも貪欲である

 実際、そう考えた科学者がいた。ナノ・テクノロジーによる艦娘の制御を目指した実験計画書を大本営に持ち込み提言した結果、あろう事か大本営はこれを非公式で承認。秘密裏に実験が行われる運びとなった


 様々なテストを繰り返した結果、僅かながら神経系に干渉できる事が確認された

 だが、それは「今日はちょっと気分が乗らない、調子が悪い」程度の干渉力に留まり、四肢の制御に干渉する事は無論、その行動を制限する事など、現時点ではとても不可能であった。その上、所属鎮守府の提督以外の者が施行しても殆ど効果が見込めなかった

 しかも、一人の艦娘にこれを施行した場合、二人目以降、というか一人目以外の艦娘には全く効果が発生しなかった

 後は、命令に対して若干の強制力が働く事と、艤装とのリンクを阻害できる程度であった。これらは当該提督施行という条件付きながら、不特定多数への干渉が可能である事が判明し、これが本命とばかり大いに実験結果が期待された

 だが、前者は艦娘自身が強い意志で抵抗すれば無効化できたし、後者についても、一度艤装リンクを果たした後では、全く効果がなかった


この実験結果に対し、大本営としては落胆を隠せなかった

 効果を与えられる対象が僅か一名と限定的な上、与える方も当該提督のみで、しかも干渉力は僅かで、行動そのものを阻害する効果もない。これでは、抑止力としてはほぼ使えない



 大本営は、さしあ
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