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絶撃の浜風
外伝 大本営編 01 暗部
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ぎた大本営の在り方を危惧していたため、幹部連の反対を押し切り約定を締結させていた

それが【大本営所属軍人処分に関する権限】である

 この約定締結により、大本営に対し一定の抑止力となるかに思われた・・・・・だが



 深海棲艦の脅威が沈静化し、散発的な出現に留まるようになった頃、艦娘に異変が生じていた

 それまで同一個体を建造により複数隻保有することが可能だった艦娘たちが、より上位の個体同志で統合が行われ、オリジナル個体を残し、クローン体が消失した

 結果、艦娘の総数は数百隻に留まり、その戦力は大幅に減少した。それだけではない、艦娘たちの身体機能にも劇的な変化があった。艦娘たちは生殖機能を有し、子を授かれるようになっていた。ごく自然の成り行きで、戦いの最中で出会った想い人と恋に落ち、結ばれ、そして子を成した

 人と艦娘との間に生まれた女の子は、不確定ではあったが、艦娘としての能力が顕現、覚醒した


 それは・・・・この世界における新たな不文律であった・・・・


これらの事象は、行き過ぎた提督達の横行に警鐘を鳴らすべく、【デウス・エクス・マキナ】の反乱によってもたらされたものであった

 この事件の首謀者である彼女は、解除方法の記憶部分をブラックボックスに収め、とある艦娘のコアにそれを移植した。そして自らはその記憶を封印してしまったのである
 


 これを鑑み、大本営はこれまでの戦略の大幅な見直しを余儀なくされていた


 各国政府機関に働きかけ、艦娘の血族、そして第二世代以降の人から覚醒した艦娘には人権を付与し、法的にこれを保護した

 今やオリジナル個体しか存在しない艦娘の一体一体が、希少な戦力な故の措置であった


 本来であれば、これで終わりのはずであった


 だが、第二世代になって初めて迎えた【第二次深海棲艦戦争】の顛末は、大本営による専横を決定的なものにしてしまった

 人権を与えられ、人の子としての側面を持つに至った第二世代の艦娘たちの多くは、戦場に娘を送り出したくないという親の情に絆され、戦う事を躊躇した。結果、多くの人々と、少数で深海棲艦に立ち向かった艦娘たちの命が奪われ、日本国は再び滅びの道を歩み始めていた
 
 紆余曲折の末、艦娘たちは再び戦場へと赴くようになったものの、艦娘の運用はこれまでとは比較にならない程不安定なものになっていた。有事即応が確実とは言い難い現状を露呈したこの事件は、大本営に危機感を抱かせるには十分であった



 大本営は・・・これまでは共闘関係の延長線上に過ぎなかった人と艦娘との関係を強化する必要性に迫られていた

 絶対数の少なくなった艦娘の脱落者を最小限にし、効率よく集中運用するには、艦娘たちの意思
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