暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
準々決勝開幕!!
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っては94kmしかない。だから翼星は目先を変えるように短いイニングで継投し、球種も多くして守り抜く野球を徹底しているんだ」

ただし、厄介なのは球種だけではないと話を続ける。

「山口はサイドスロー特有のスライダーとシンカーで空振りを取りに来る。ツーシームとスラーブは凡打やタイミングを外すためのボールだな。
そのあとに遠藤が来る。こいつは球種が多い上に山口よりも10kmも遅い。目先も変わる上に球のスピードに慣れるまで時間がかかる。
そしてそこから20km速い大場だ。こいつはスピード系のボールを多投してくるから、遠藤に慣れてしまうとその緩急で一巡なんてあっという間に終わる。この投手間での緩急もあいつらの武器になるんだ」

力がないなら全員の力でそれを補おうと考えた翼星。それは結果として毎年安定した成績を残す要因にもなっている。

「ただ、攻略法も簡単と言えば簡単なんだよな」
「そうなんですか?」
「そうだ。それぞれがもっとも多く投げてくる球種に狙いを絞ってやればいい」

狙われればその球種は投じにくくなる。しかし、多彩な球種があろうと必ず軸になる球種は限りがあるため、それが投げられなくなると思うような投球ができなくなる。

「球が遅いから見極めをしっかりしつつ狙い球が来たら多少ボールでも振っていっていい。転がすとかライナー性とかも序盤は考えなくていい。狙い球を思い切りかっ飛ばしてやれ」
「「「「「はい!!」」」」」

分かりやすく実践的な指示を受け円陣を解く少女たち。それを見ていた翼星側も指示を出していた。

「今日の攻め方は頭に入ってるよね?」
「「「「「はい!!」」」」」
「ならいつも通り守備から流れを作っていくよ」

翼星高校は必ずといっていいほど後攻を選ぶ。理由は先に硬い守りを見せつけ相手にミスはできないとプレッシャーを与えるため。それができれば彼女たちがペースを握ったといっても過言ではないからだ。

「明宝は打撃に定評があるからね。低めを丁寧に突いていくこと」

翼星学園の監督である佐々木美紅(ササキミク)。彼女は見た目通り策略でゲームをコントロールすることに長けている。

「サインはいつも通りだけどわからない人いる?」
「「「「「……」」」」」
「大丈夫ならいいよ!!もしわからなかったら確認しておいてね」
「「「「「はい!!」」」」」
「よし、じゃああとは各自準備してベストを尽くそう」
「「「「「はい!!」」」」」

円陣を解き試合開始の時を待つ両校。佐々木はベンチからブルペンの様子を確認する。

(ヒカリ)の調子も良さそう。愛里(アイリ)の前にランナーを溜めれるかがキーになるかな?)

先発の山口の球が遠目からでも走っているのがわかる。そして素振りをして
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