第七十六話 トリスタニア増築計画
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「カトレア様、今日のご予定は?」
「ええっと、フランカ、今日の予定は何だったかしら」
「本日は、国王陛下と共に新設された士官学校の入校式の来賓として出席される予定でございます」
「そうだったわね、、ありがとうフランカ」
カトレアはにこりと微笑んだ。同性ですら頬を赤くする微笑だった。
「士官学校といえば、グラモンの奴が入学すると聞きました」
「そういえばそんな事言ってたわね。今日の入校式に会えるかもしれないわ」
グラモン家の三男ジョルジュは、士官学校の一期生として入学が決まっていた。
「カトレア様に無礼を働かないように私も着いて行きます」
「あまり、ミスタ・グラモンを邪険にしては駄目よミシェル」
学院を卒業して一ヶ月と経っていないが、カトレアは友人との再会を嬉しそうにしていた。
☆ ☆ ☆
トリステイン王国の北部開発がいよいよ終わりに近づいている事から、マクシミリアンの音頭で新たな開発計画が計画されていた。
『トリスタニア再開発計画』
と呼ばれたこの計画は、経済発展を続けるトリステインに対し、王都トリスタニアの規模が小さい事から、その名の通りに大規模な再開発を行う計画だった。
予算を確保し必要な人員も揃えて、いざGOサインを出そうかと思われたとき、思わぬ所から赤信号が出た。
その問題とは、トリスタニア地下に張り巡らされた膨大な数の排水路や地下通路で、ある程度は把握していると思っていたが、調べるたびに新たな地下通路が発見され、これら地下世界をどうにかしない限り再開発は不可能と判断された。
「そういう訳で、地下探索隊を結成することになった」
場所はコマンド隊の訓練倉庫内。
コマンド隊隊長のド・ラ・レイが居並ぶコマンド隊の精鋭の前で、トリスタニア地下世界の詳細を話し始めた。
その精鋭の中に17歳になったアニエスの姿もあった。
アニエスの身体は、引き締まった身体ながらも、今にも花を咲かせようとする若い花の様に、女性らしいふくらみを持つほどに成長していた。
「……詳細は以上だ。作戦開始は一週間後、それまで狭い地下空間を想定した訓練を行う。各分隊ごとに別れ直ちに訓練に移れ。では解散」
『了解!』
精鋭達はド・ラ・レイに敬礼すると、訓練場所へ走り出した。
『行くぞ、コマンドー!』
「コマンドー!」
「コマンドー!」
アニエスも声を張り上げながら訓練場所へ駆けた。
「アニエス、また同じ分隊だな」
「よろしく」
「ヒューゴさん、ジャックさん」
「分隊長は
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