第三十八話 速水の占いはその九
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「これは大成功ですね」
「私が伊藤博文さんの漫画を描いたら」
「そう出ました、それでは描かれますか」
「店長さんの占いがいいなら」
「それならですか」
「私もです」
咲は速水に微笑んで答えた。
「もう迷いません」
「それでは」
「描きます」
「伊藤博文さんで、ですね」
「あの人をもっと調べて」
そうしてというのだ。
「面白いエピソードを」
「描かれますか」
「色々ありそうですし」
「事実色々面白い逸話に事欠かないひとですよ」
「織田信長さんや豊臣秀吉さんみたいに」
「同じ時代なら坂本龍馬さんですね」
幕末の志士で最も有名な人物の一人である彼にも匹敵するというのだ。
「何しろ元はお百姓さんでした」
「そこからはじまったんですね」
「養子縁組で武士の家に入り」
それでも下級武士であった、江戸時代の身分から考えると一国の宰相はおろか藩の政にすら関われる身分ではなかった。
「そして松下村塾に入り」
「そこからですか」
「はじまった人ですから」
「物凄いドラマがあったんですね」
「そうです、今の日本の土台を築いてくれて」
そうしてというのだ。
「多くの功績を残してくれました」
「しかもざっくばらんで気さくで飾らないで」
「面白い人でした」
「悪く言われる人ではないですね」
「全く」
そうしたことはないというのだ。
「むしろ面白おかしくです」
「痛快に描ける人ですね」
「あの時代の政治家の人達は面白い人ばかりです」
「悪者じゃなくて」
「とんでもないです、桂太郎さんも面白いです」
この人物もというのだ。
「何しろにこりと笑って相手の肩をぽんと叩いて」
「それで、ですか」
「たらし込める人でしたから」
「人たらしだったんですね」
「伊藤博文さんも人たらしでしたが」
女好きだけでなく男もであったという、兎角有能な人材を見ると声をかけて政治家に誘うのが常であった。
「しかしです」
「桂さんはもっとですか」
「人たらいであり」
それでというのだ。
「面白い逸話が多いです」
「そんな人なんですね」
「他にも多くの面白い人がいます」
「そうですか」
「明治の日本は」
「じゃあ描いてもですね」
「後悔はしないです、このカードも言っていますね」
咲に今も持っている星の正を見せつつ述べた。
「占いの結果で」
「そうですね、じゃあ調べて」
「描かれますね」
「そうします」
「では頑張って下さい」
速水は咲に微笑んで述べた。
「漫画の方も」
「そうさせてもらいます」
「それでは。あと明治の頃は実はマスコミは今とは違った意味でいい加減で」
「いい加減だったんですか」
「政治家のお話を適当に事実らしく書いて」
「嘘をですか」
「
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