第三幕その一
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第三幕 上本町で
先生達は今度は大阪の天王寺区に来ました、今回は王子は公務があるので一緒ではなくトミーと動物の皆が一緒です。
先生はまずは皆をうどん屋さんに案内してきつねうどんを食べつつ言いました。
「きつねうどんは大阪のあるお店がかけうどんを注文した時に店長さんがサービスで薄揚げを入れたのがはじまりだよ」
「それからなんだね」
「きつねうどんが生まれたんだね」
「それが大阪のお店だったから」
「大阪の食べものになったのね」
「そうだよ、元々大阪は狐に縁があるしね」
おうどんとは別にとです、先生は動物の皆にお話しました。
「晴明神社でもね」
「安倍晴明さんだね」
「あの人お母さんが狐だって話があるね」
「それで狐との縁が深いんだ」
「そうなのね」
「そうだよ、それできつねうどんもね」
この食べものもというのです。
「強いて言うならね」
「大阪で狐」
「そこでも狐だね」
「そうなるね」
「そう思うよ、それと」
先生はさらに言いました。
「皆これを食べたらここを巡るよ」
「天王寺区を」
「そうするんだね」
「これから」
「そうしようね」
こう言ってでした。
皆まずはきつねうどんを食べました、そうしてから街を巡りますが先生は皆をまずは学校の前に案内しました。
そしてその前で、です。先生は皆に言いました。
「ここが織田作之助さんの出身校だよ」
「高津高校ですね」
「そうだよ、当時は中学校だったんだ」
トミーに笑顔でお話しました。
「戦前だったからね」
「戦前の中学が今の高校ですね」
「そうだよ、当時中学校に合格して」
そしてというのです。
「近所の人達は驚いたらしいよ」
「そうなんですか」
「下町で中学に行くのかってなって」
「それで、ですか」
「大騒ぎになってそのうえでね」
「この学校に通ったんですね」
「そしてこの学校は卒業しているよ」
高津高校はというのです、当時の高津中学校は。
「それで京都の第三高校に入学しているんだ」
「今の京都大学ですね」
「そうなんだ」
「そしてここで、ですね」
「織田作之助さんは学んでいたんだ」
「そうなんですね」
「それで中には織田作之助さんの肉筆の原稿もあるけれど」
見れば校門は閉まっています、それで先生はこう言いました。
「今日は日曜だしアポも取っていないから」
「だからですね」
「今日は校門だけだよ」
「中には入らないですね」
「残念だけれどね」
「それでは」
「また来ようね」
原稿を見る為にというのです。
「そうしようね」
「わかりました」
「じゃあ次の場所に行こう」
こう言ってでした。
今度は緩やかな坂道、蛇みたいにくねった
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