武神の処刑人
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強の処刑人!』
コエムシの声に応えるように、その背後にそれは現れた。
銀色のオーロラ。監督役が幾度となく使ってきたそれを見ると、否が応でも体が警戒する。
そして。
ウィザード、ブライ、そしてトレギアを通り過ぎていった銀のオーロラが召喚した者。
それは、鎧武者。だが、人間の生身の部分は見当たらない、群青色の体をした人物。
兜や鎧は、全て血のような紅に染まっており、見るだけでぞっとする。ところどころにどす黒い模様が刻まれ、落ち武者のようにも思える。
彼は、無骨な剣と、同じく紅の剣。二本の剣を広げ、宣言した。
「天下は私のものだ!」
『ああ! いいぜ。フェイカーを始末してくれたら、元の世界で世界征服でも何でもしろよ!』
コエムシの声に頷いた鎧武者は、紅の剣___よく見れば、その刀身は果実の切り身にも見える___を掲げ、名乗った。
「我が名は、武神鎧武!」
「武神鎧武……この前の英語の処刑人……とは違うよな?」
彼は、そのままトレギアへ刃を向けた。オレンジの切り身のような模様をしているそれは、見た目とは裏腹に強烈な殺意を感じられた。
トレギアは「おやおや」と首を振りながら、
「面倒だなあ……」
「異世界の武神よ……その命を頂こう!」
右手の剣を向け、武神鎧武と名乗った武将はトレギアへ挑んでいった。
トレギアはほほ笑みながら、その剣技を避ける。
「おいおい……まさか、私に来るのか」
「でりゃああああああ!」
武神鎧武のドスの利いた声とともに、二本の剣が振り下ろされた。
トレギアはそれぞれを片手で受け止めるが、やがて受け流す。
「全く……」
トレギアは両手の剣を引いて押し返す。
そのまま即座に、両手より発生した雷を放った。
だが群青色の雷を、臙脂色の刃が切り落とす。さらに、武神鎧武は雷を切り裂きながら、どんどんトレギアとの距離を詰めていく。
「はああああっ!」
武神鎧武の斬撃が、トレギアの首を討ちとろうとする。
だが、トレギアは両手を腰に回しながら、ギリギリの動きで反り続ける。
トレギアは、武神鎧武の剣___黒い、無双セイバーを弾き、トレラムノーを放つ。
赤い斬撃が、武神鎧武の斬撃と重なり、爆発する。
「本当に面倒だな……ギャラクトロン!」
トレギアは指を鳴らす。
すると、その頭上に、虹色の魔法陣が現れた。ウィザードのものとは書かれている模様が全くことなるそれより現れたのは、白いボディを持つロボット。銀河の中から現れた龍を思わせる風貌のそれは、登場と同時に武神鎧武へその腕を振るう。
「むっ!」
武神鎧武は二本の剣を交差させるとともに、ギ
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