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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
昔の話
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まった。

「貴様1人か?葛飾北斎はどこにいる?言わないと多少痛い目を見るぞ?」
「…。」
「おい、何とか言えよ。ビビって声も出ねぇのか?」

別の隊員が銃で小突く。
しかし、それが彼の最期だ。

「なっ…!?」

目くらましにとやつの顔に買い物かごを投げつけ、僕は太ももにあるホルダーからペンを取り出す。
高速でペンを走らせ、あるものを宙に描く。
それは剣。装飾のないシンプルな西洋の剣だ。
描かれたそれは色をつけ、実体化した。

「…。」

何も話すことなく、それを手に取り振るう。
刃が等間隔に分離し、鞭状となったその剣はいとも容易く周囲の隊員達を細切れにした。

僕が今使ったのはセイバーのアストルフォの武器、『カリゴランテの剣』。
そしてそれを描き、実体化させたのは僕の能力、『ペンは剣よりも強し(イマジン・ディピクター)』だ。

見たものなら描いて実体化させられる。
簡単に言うならばお絵描き版投影と言ったところかもしれない。

「多少の欠損はかまわん!!撃て!撃てェ!!」

残りのヤツらの銃が一斉に火を噴く。
宙へ飛び去り、くるりと一回転して剣を振るった。
しなるカリゴランテの剣は弾丸を防ぎ、弾き、切り裂く。
そしてもう一度振るうと彼らの腕ごと銃を使い物にならなくした。

「なんだこいつ!?マスターは弱いんじゃなかったのか!?」
「それって何年前の情報かな。少なくとも今の僕は、あいつの知ってる昔の僕とは全然違うから。」

着地すると、すぐさま駆け出す。
狙うは隊長らしき人の首。
この世界に放り出されて自分の手なんて何度も汚してきた。
今更悪人の首を跳ねることなんて、なんの抵抗もない。

「いやだ…たすけ…っ!!」

怯えて逃げようとした隊長に、僕は躊躇なく刃を振るった。



?


「はい…そうなんです。後始末お願いします。」

数分後、
BAR『蜘蛛の糸』のモリアーティさんに連絡し、死体の後片付けをお願いしてもらう。
そうして電話を切り、投げてしまった食材を拾い集め僕は急いで家へ帰る。
時刻は夕方。既に空は暗くなりつつある。
もしかしたら何かあるかもしれない。
そんな不安が胸中をよぎり、僕は夜になって人が少なくなる前に急いで帰ることにした。

「帰りが遅くなったらお栄ちゃんにお仕置きされちゃうかもしれないし、急がなきゃ…。」

そしてその不安は、不運なことに当たってしまう。


「あいつか…。」
「間違いない。アレが代表が死に物狂いで探しちょる”葛城舞”じゃ。」

物陰から、僕を見ている二人組。
実は、感じていた視線は先程倒した葛城財団の人達じゃない。
この2人のものだ。

「やれるか?以蔵。」
「わしらに
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