第二部 1978年
ミンスクへ
我が妹よ その4
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った
これは、ある種の自己批判の場ではなかろうか……
目の前の閣僚達は、要請を理由に嘲笑しているのではなかろうか
一頻り男達は笑った後、彼にこう告げた
「この件と並行して、日本から持ち込まれた大型戦術機のパイロットに接触してほしい。
彼をベルリンにまで誘い出せれば、上出来だ」
彼は顔を顰める
「何故その様な事を……」
「何、そいつを上手く使って、兵達に楽をさせたいのさ。
高々、総動員したところで40万しかいない兵だ。
無駄死には避けたい……」
例の男の右隣に座る人物が、彼の方を向く
右手を頬に当て、ひじ掛けに寄り掛かりながら言う
「支那での言動を見る限り、志操堅固な人物であることが類推できる」
例の男が言葉を繋ぐ
「並の策、女や金で転ぶ様な人物ではないことは確かだ。
上手く扱えるのは君ほどの男でなくてはならん」
彼は姿勢を正す
「詰り、人類の為や己が使命感に訴えかける様にして協力させろと……」
隣に座る男は、右手を顔から離す
右の食指で彼を指示した
「その線で行き給え」
例の男は、上着の内ポケットから一枚の名刺を差し出す
「これは、通商代表(USTR)の担当者の電話番号だ。
ここに電話を入れれば向こうで都合して呉れるやもしれん」
内務省の副大臣、次の大臣候補が言う
「実は、ベルリン観光に、連中を招待しようという案が出ている。
上手く先方と折衝し給え。
民警(Volks Polizei/人民警察)や、内務省には私から話を通す」
自らの上司となる男が、声を掛ける
この男は第2局(防諜担当)のトップを10年近く勤めていて、シュミットと犬猿の仲であった
「なるべく手荒な真似は止めろ。
上手く誘い込んで、その気にさせるのだ」
彼は、敬礼で応じた
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