第45話 =少女=
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シダさんから聞いた例の幽霊話をハン……サンドイッチを手にしながら俺は思い出しながら口をする。俺はホラー系に対してはいわゆる普通だがリズ、サチ、シリカはそういうのは駄目なタイプで逆にユカは興味をもつタイプ、今回も案の定その通りにユカ以外の3人は昼間から耳をふさいで震えていた。
「ということで、キリトたち誘って捜しに行こうぜ!」
「私もそれ、賛成よ」
ここでまず5人中2人はもう決定、あとはどうにかしてこちらに引き込まないと…そんなことを思っていると耳をふさぎながらサチが口を開く。
「な、何でわざわざ行こうとするの…?」
…大体理由1つしかなくないか?
「「楽しいから(よ)!!」」
どうやらユカも同じ考えらしい。理由は多分違うけど…俺はこういう探検も好きだし、皆といったらその分だけさらに楽しいって思ってるからな。
「…う、うわぁ……」
「大丈夫だって。ほぼ2年ずっとだから忘れかけてるけどゲームだぜ?」
あきれているサチにそんなものは存在しないとない頭を振り絞って説得を試みる。いまここがゲームって考えてしまうと必ず隙が生じてしまうため意識的にその考えを排除しているプレイヤーは多いだろう、攻略組は特に。でも俺はテイルズの技を放つたびに「ゲームなんだよな」と何度も感じている。
あのタイトルが生まれてもうすぐで30年がたつ結構古いゲームだが最新作は今でも発売されているし、その昔のソフトをハードまで買って何週もプレイしてきたのだ、それが染み付いてしまっている。
……SAOから帰還したらテレビにずっと張り付いてコントローラをガシャガシャしてる自分が簡単に想像できるのは気のせい?
「…そ、そうだけどさ」
リズが納得しかけているところにさらにユカが追い討ちをかける。
「大丈夫よ。幽霊なんていないから……きっと」
「最後に「きっと」ってつけるのやめてくださいよ!」
「きゅー!」
そこから何度か会話のキャッチボールが続き、なんとか想いが伝わったのかしぶしぶながら一緒に行くことを承諾してくれた。
その顔に少しだけ笑顔があるのはなんだかんだ言っているこの3人も皆と一緒に行けるのがうれしいのだろう。俺と一緒に行け
るのがうれしい…とは超がいくつもつくほどのチャラ男っぽくなりそうなので考えたくないけど告白された身から考えるとそう
考えてしまう部分が少しだけでもあるのは仕方がないと思う。
「………昔はこんなことすら考えなかったのにな」
「…なにか言った?」
サチがこちらに声を出してくるので「なんでもない」と苦笑いで返す。俺もこの4人と一緒に行けるのはうれしい、キリトたちを誘うのはいつもとは違う人がいると楽しい感じが大きくなるんじゃないか?という浅はかな考えだけど。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ