第二章
[8]前話
「それでもです」
「皆義絶したままだろ」
「誰も付き合う気はないです」
「夫婦の家のもの全部売ったそうだな」
「それで家の中を完全に空にしてやりました」
「そうした位だな」
「皆嫌ってますよ」
実際にというのだ。
「親戚も。それで俺も」
「あんたもだな」
「そうです」
「そういうことだよ、だからな」
「いなくなってですね」
「清々してるよ、それでこれがな」
彼は笑顔でふわりそっくりのトイプードルのぬいぐるみを出した、そして洋介の前にそれを置いて話した。
「あいつ等の家族にってな」
「二人目の娘が産まれた時にもお祝いの品で出した」
「ぬいぐるみだよ」
「本当にふわりそっくりですね」
洋介はそのぬいぐるみを見て述べた。
「見れば見る程」
「外見だけじゃなくて毛の色も大きさもだよな」
「ええ、全部」
「これにボタン押したら声出る様にしてるんだ」
「そうなんですね」
「買ってそうした細工したけれどな」
彼は洋介にそのぬいぐるみを見ながら話した。
「どうするかだよな」
「これからですね」
「一体な」
「俺が買っていいですか?」
洋介はここで彼に申し出た。
「そうしていいですか?」
「買うのか」
「はい、ふわりそっくりなんでふわりに見せて」
そうしてというのだ。
「どう反応するか見たいです」
「じゃああげるよ、しかしボタン押して出る声は変えるな」
「くれるんですか、それに声も」
「あんたがふわりちゃんの本当の飼い主だしな、それに声はあいつ等への嫌がらせだからな」
そうした声だからだというのだ。
「そこは変えてな」
「そうしてですか」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「声は変えてから渡すな」
「それじゃあそれでお願いします」
「少し待っていてくれよ」
「わかりました、それでなんですが」
「どうしたんだい?今度は」
「お待ち」
洋介は百田家の夫とぬいぐるみの話が終わるとだった。
彼が注文した炒飯を出した、すると彼はその炒飯を受け取って食べはじめた。それは実に美味い炒飯だった。
素直な贈りもの 完
2022・1・26
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ