外伝 加賀編 01 一航戦暗黒神話U
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結局、厳重注意となったものの、事を公にした功績を鑑み、加賀は不問とされた
ついこの間まで小学生だった、13歳になったばかりの少女が、ここ数年続いていたこの学校のどす黒い膿を絞り出した、というか、
加賀にとっては他愛のない、ちょっとした出来事であった
(2020年12月16日 2021年8月26日 執筆・加筆修正)
この事件以来、教師も含め、男どもは一様に加賀に一目置き、恐れおののいた
「岬には絶対に逆らうな! いいな絶対にだっ!!!」
が、当校の暗黙の了解となっていた
その一方で、年上、年下、同学年を問わず、女子からは概ね好意的に受け止められていた
一見、何を考えているのかわからないように見える加賀であったが、その実、思いやりが深く、優しい人柄であった
何かトラブルがある度に、上記のような事を繰り返していた。困っている人がいると、黙って見過ごす事が出来ないのが加賀の性分であった
そんな加賀の人柄が廻りに徐々に知れ渡るに連れ、女子たちの加賀を見る目が、少々違ったものになっていったのは無理からぬ事であった
「岬ねえさま!」
女子たちにそう呼ばれるようになるまで、そう時間はかからなかった
昼食時の食堂は、一時期大変な賑わいを見せていた。赤城と違って覚醒前も大食漢だった加賀の周りには、わんこそばの如く、大皿が山のように積まれていた
そんな加賀の元には、いつしか取り巻き女子たちからの食べ物の差し入れでいっぱいになっていた。正直、食費がいらないレベルである
加賀の、並外れた食欲と身体能力は、小学校3年生の頃に突然発現した。自分でも不思議に思っていたが、両親や祖母が、特に驚いた様子もなかったので、あまり気にならなくなり、やがて忘れた。ただ、
「岬ちゃんは、少し力持ちだから、友達と喧嘩しても手を上げちゃダメよ! 怪我させちゃうからね」
と、一度母に言われただけである
それでも、流石に中学生ともなると、自分が普通の子よりいささか食いしん坊で力が強いのは、普通ではないと思い始めていた
「・・・食べれば食べるほどにお腹が空きます・・・・これは・・・どういうことでしょうか?」
「・・・・いくら食べてもお腹が空くから・・・いつまでもご飯が美味しいわ・・・もぐ」
「・・・私・・・なんなんでしょうか?・・・ひょっとして・・・・・・・・・・天才?」
その辺りで合点し考える事を止めたのは、こと自分の事となるといささか大雑把な性格による
加賀の身に起きているこの現象は、極
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