第六十八話 入学式その四
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「それじゃあ」
「そういうことでね」
「やっていきます」
「ええ、阿波野君は千里ちゃんをとても大事にするし」
このこともあるというのです。
「そうしてあげてね」
「調子のいい子ですけれどね」
それでもいい子なのは事実と思ってです、私は奥さんににこりと笑って応えました。そうして修養科の人達の参拝を見送らせてもらってです。
その後は朝のひのきしんにお食事にとなってでした、歯を磨いてお顔も洗ってです。
それで振袖を着て学校に行こうとしますと。
お父さんとお母さんが詰所の事務所のところにいて私に声をかけてきました。
「今から行くんだな」
「一緒に行きましょう」
「入学式来てくれたの」
聞いていなくて少し驚きました。
「そうなの」
「娘の結婚式だぞ」
「来ない筈ないでしょ」
「卒業式だって来てただろ」
「三人共そうしないとね」
こう私に言ってくれました。
「だから来たのよ」
「言ってなかったか」
「そういえばそうだったかしら」
言われていたかと言われますと、です。
「もうね」
「それにいつも来てるだろ」
「入学式と卒業式には」
「だから来たんだ」
「神戸から来てくれたのね」
それも昨日送ってくれてです。
「悪いわね」
「お家の方にはちゃんとね」
お母さんも言ってきました。
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