第三十八話 速水の占いはその三
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「ソ連が戦前の日本を全て悪と言ったので」
「悪ですか」
「まさに」
これはコミンテルンのテーゼである、戦前の日本は侵略国家であり日清日露の二つの戦争も侵略戦争と言ったのだ。
「それを完全に受けてです」
「そう言っていて」
「戦後この論理がです」
コミンテルンのテーゼがというのだ。
「日本の知識人の世界を支配していました」
「そうだったんですね」
「それで日露戦争も」
伊藤そして山縣も深くかかわったこの戦争もというのだ。
「そう言われていました」
「何か」
「どうにもならないですね」
「そうとしか思えないです」
咲は顔を曇らせて答えた。
「本当に」
「そうですね」
「マルクス主義がですね」
「日本の学者の世界を覆い」
そうしてというのだ。
「それに反することはです」
「駄目になったんですね」
「まるでカルト教団に支配された様に」
「マルクス主義ってカルト教団ですか」
「そうも言えるでしょう」
まさにとだ、速水も否定しなかった。
「共産主義は」
「マルクス主義がですか」
「そうなっていて」
「とんでもないことになっていたんですね」
「戦前の政治家や軍人はほぼ全て不当な評価です」
「伊藤博文さんも」
「日本自体もそうですから」
人物どころかというのだ。
「酷いものです、そしてソ連や北朝鮮のことならです」
「共産主義の国ならですか」
「何でも肯定してきました」
「悪いことでもですか」
「はい」
まさにというのだ。
「擁護されていました」
「日本と同じことをしても」
「日本より遥かに悪質なことをしてもです」
「ソ連とかだといいんですね」
「日本には捏造さえもです」
事実でないことを言い立てて攻撃することすらというのだ、これは南京然り慰安婦然り残念ながら事例が実際にある。
「します」
「ソ連や北朝鮮にはしないで」
「はい、こうした国々の悪事は事実でもです」
「擁護してですか」
「日本にはそうです」
「日本人じゃないみたいですね」
「国籍はそうですが心は違ったのでしょう」
速水は冷めた目で述べた。
「ソ連かです」
「北朝鮮ですか」
「あの悪名高い国です」
「本当に悪名高いですね」
咲もこの国のことは知っていて述べた。
「あの国は」
「ああした国が好きでして」
「日本は嫌いなんですね」
「そうした学者ばかりで」
「とんでもないんですね」
「小山さんも大学に行かれた時はご注意を」
速水はこうも話した。
「くれぐれも」
「そうした先生がいるからですか」
「まだいますので」
それが日本の大学というものだ、おかしな輩が残り続けおかしなことを吹聴し続けているのである。
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