プロローグ:「爆誕!仮面ライダー洸輝!!」
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鬼の言う大切なものは家族や友人のことを指しているのだろう。家族や友人を見捨て、自分だけが助かるか。自分を見捨て、家族や友人を助けるか。言っている意味が分からない祐樹がそう聞くと、先程の風より強い風が吹いた。
しばらく経つと縦に強く地面が揺れた。町中の人々は何だ何だと慌て始める。それは曜も翔もだった。祐樹は千歌の安否が気になった。
『あーぁ、とうとう来ちまったな』
「え?」
『あのビルに駆け込んでみ?絶望が待ってるぜ?』
鬼が千歌が向かったビルを指し、そう言った。祐樹の顔は青ざめ、逃げる人々の波をかき分けビルへと向かう。ビルの向こうに着くと予想出来ないことが起きていた。
「……あ……ゆっくん……」
「千歌ちゃん!!」
へたり込んだ千歌は祐樹に気付きそう言った。彼女の目の前には信じたくもない怪物がいたのだ。それは禍々しい色のしたモノだった。
「何……アレ……」
「アレはエモーティブ。負の感情で現れた怪物サ」
(……誰?)
祐樹の呟きに説明する声が聞こえた。驚いた祐樹が聞こえた方向に振り向くと男が立っていた。怪物を目の前にし、逃げない男。疑問を持つが何かを投げられる。咄嗟に受け取るとそれはベルトだった。
「それはドライバー、仮面ライダーになれるアイテムダヨ」
「仮面……ライダー……?」
男の言葉に祐樹はベルトを見つめ、呟く。次の男の言葉が彼の決意を揺るがした。
「君なら扱えると思うけド……どうすル?その女の子を見捨てル?それとも守ル?」
「俺なら……」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
千歌を見捨てるか、守るか。そんなのは既に決めていた。怪物に襲われ、千歌が悲鳴を上げた。砂煙が立ち、彼女はやられた。そう思った男だが、目を丸くする。風で砂煙が消えたそこには怪物の攻撃を受け止めた祐樹がいたからだ。
「ゆっくん……?」
「目の前で助けを求めているのに、見捨てるなんて……そんなのヒーローじゃない!!」
驚き後ずさる怪物を他所に祐樹はベルトを腰に巻き付ける。男は思っていた通りだったらしくまたとあるモノを彼に渡した。受け取ったのは蜜柑色に光る球で鷹の絵が描かれていた。
「それを棒に差して引くんダ!」
男に言われたままその球を棒に差し、右に引いた。レバーになったのだ。限界まで引くと球と同じ蜜柑色の光が彼に纏わりつく。鬼はその光に吸い込まれていき、下から変身し始める。
「それはオオタカ サ」
「……ゆっくん」
光が収まると背中にはオオタカの翼、それ以外は鬼の格好をしていた。見事に変身をした彼に男は拍手
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