第六百四十七話 無欲な野心家その九
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「そしてそれがです」
「あの人の問題点ね」
「どれだけ優秀な人でも」
「欠点や弱点があって」
「あの人は軍事がです」
まさにこのことがというのだ。
「そうなのです」
「そういうことね」
「どう低く見てもマウリアで百年に一度の傑物です」
「百年ね」
「はい、マウリアを変える」
そうしたというのだ。
「英雄なのです」
「その評価は正しいのね」
エイミーは話を聞いて述べた。
「連合でのそれは」
「はい、エウロパで言うとカエサルの様な」
「そこまでの人なのね」
「マウリアをいい意味で変革してくれます」
このことは事実だというのだ。
「必ず、しかし」
「軍事はなのね」
「全くなのです」
「駄目ってことね」
「知識も素養もです」
「ないのね」
「ゼロです」
まさにというのだ。
「あの人は」
「才能もないのね」
「軍事については」
「兎に角そっちは駄目過ぎるのね」
「そうなのです」
「カエサルは軍人でもあったけれど」
幾多の戦争にも勝ってきている、また敗北を喫してもそれで絶望することはしない点も強みであった。
「あの人は」
「軍人ではなく」
「政治家、革命家ね」
「あくまで」
それでというのだ。
「軍人ではなく」
「そこが問題なの」
「そうです、本当に連合なら」
今自分達がいる国に生まれていたならというのだ。
「普通に素晴らしい政治家でしたが」
「それがなのね」
「マウリアですと」
「微妙なところもあるのね」
「そうなのです」
「何かと難しいわね」
アンはカレーを食べつつ微妙な顔になって述べた、見れば彼女の食べているカレーは豚肉が入っていない。ユダヤ教徒なので豚肉を食べられないのだ。
「マウリアを変革出来ても」
「問題点があります」
「そうした人なのね」
「はい」
まさにというのだ。
「あの人は。ちなみにカリーは」
「どうなの?あの人が食べているカリーは」
「牛肉は絶対にです」
「入っていないのね」
「敬虔なヒンズー教徒なので」
だからだというのだ。
「牛肉はです」
「食べないのね」
「何があっても」
「真面目なのね」
「真面目でないとです」
セーラはアンにさもないと、と話した。
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