第六百四十七話 無欲な野心家その七
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「ジャバル副主席の場合はそうなのです」
「戦争が下手な革命家ね」
ベッカは首を傾げさせて言った。
「何かこう」
「合わないですか」
「革命って戦争だよね」
「内乱ですね」
「そうだよね、だからワシントンもね」
アメリカの国父であり初代大統領である彼もというのだ、この時代では神格化されて実際神の一柱にもなっている。
「軍人で」
「軍を指揮してですね」
「戦果を挙げてだね」
「イギリスから独立しています」
「そうだよね」
「事実革命家は戦争もです」
これもというのだ。
「知っていまして」
「戦えるね」
「軍を指揮して」
そうもしてというのだ。
「勝つこともです」
「求められるね」
「ガンジーは非暴力でしたが」
インド独立を革命と考えての言葉である。
「大抵はです」
「戦争もだね」
「しています、そして」
「そのうえで」
「はい」
まさにというのだ。
「勝っています」
「そうだね」
「しかしジャバル副主席は政権を奪取して」
「そのうえでの革命を目指していて」
「民主政治も破壊せず」
「所謂無血革命だね」
「はい」
まさにというのだ。
「それを目指していて実現もです」
「するんだ」
「あの人なら必ず」
「本当に軍隊が入る要素はないね」
「これがあの人が違うところです」
他の革命家達とはというのだ。
「ヒトラーの様にするところが」
「そうなんだね」
「ですがヒトラーは粛清の際です」
レーム達へに行ったものだ、大きくなり過ぎた突撃隊を抑える為に彼は電撃的に親友であったレームを含めたナチスの不穏分子や政敵達を一掃したのだ。
「親衛隊を率いています」
「だからこそ」70
「ジャバル副主席とは違います」
「そうなんだね」
「彼はまだジャバル副主席より軍事の素養はあります」
「ヒトラーでも」
「軍にいましたし」
伍長時代のことも話した。
「ですから」
「じゃあジャバル副主席は」
「全くです」
まさに何一つとしてというのだ。
「ありません」
「そうなんだ」
「それであるとお考えなので」
自分でそのことに気付いていないというのだ。
「ですから」
「問題なんだね」
「そうです、ですからマウリア軍は戦えば」
ジャバルの下そうすればというのだ。
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