第二百三十七話 最後の場所その五
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「本当に」
「この浮島だとな」
「そうだよね」
「ああ、だからだな」
「今回もだよ」
「寒さには注意しないとな」
「今回は特にね」
これまで以上にというのだ。
「そうだよ」
「尋常じゃない寒さだからな」
「これまでも凍死の危険があったけれど」
「今回は特にだな」
「それでね」
剛はさらに言った。
「壊血病もね」
「注意しないとな」
「寒い場所では現地調達もしにくくて」
食料のそれがというのだ。
「だからね」
「どうしてもな」
「そう、野菜や果物が特にね」
「ないからな」
「そっちもこれまで以上にね」
「気を付けていかないとな」
「さもないとね」
それこそというのだ。
「敵と戦う以前に」
「寒さと栄養にな」
「負けるよ」
「そうだよな」
「しっかりしたものをいつも食べる」
剛は確かな声で言った。
「これがまず必要だよ」
「軍隊にはな」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「今度の戦いでは特にね」
「現地調達も期待出来ないしな」
「買おうにも」
帝国軍は略奪は行わない、現地調達の場合は物資を購入するのだ。そうして現地の者達に反感を買わない様にしているのだ。
「ものがないとな」
「買えないね」
「ないものは買えない」
「自明の理だね」
「だからな」
それでとだ、久志も言った。
「そこはな」
「しっかりしないと駄目だよ」
「そうだよな」
「壊血病にはザワークラフトね」
留奈が言ってきた。
「それと柑橘類」
「ビタミン不足でなるからな」
「だからライムとかオレンジとかね」
「そういうのを持っていくな」
「そう、ただライムだとね」
留奈はこの果物の話を特にした。
「酸性が強いから」
「食ってると歯に悪いな」
「糖分もあるしね」
「虫歯になりやすいな」
「だから兵達には歯磨きもさせる」
「虫歯もな」
こちらもとだ、久志は苦い顔で述べた。
「なるとな」
「戦いに影響出るでしょ」
「歯が痛かったりしたら肝心な時に踏ん張れないからな」
「そう、だからね」
「俺達は歯磨きも出来るしな」
「歯ブラシも歯磨き粉もあるわよ」
その両方がというのだ。
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