第十話 性欲は誰にもその十三
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「出来たら自分の目でね」
「見てですか」
「確めたらいいわ」
「実際にどんな人か」
「百聞は一見に如かずだし」
先生は諺も出した。
「だからよ」
「その目で見てですか」
「言われていることと同じか」
それをというのだ。
「確めてね」
「何でもですね」
「食べものも歴史も」
「その他のこともね」
「何でもね、例えば荒木又右衛門さんも」
「確か三十六人斬りの」
「実際日本刀それだけ切れないわよ」
これは実際にである。
「二人か三人がね」
「限度ですか」
「それで新選組も池田屋の時はね」
有名なこの事件の時はというのだ、祇園祭の時に押し入りその奏での中で切り合った新選組の名をあげた話だ。
「近藤勇さん以外は刀は刃毀れだらけになったのよ」
「何人か切って」
「そうなっていたし」
「三十六人もですか」
「切れないわよ」
「そうなんですね」
「刀十本以上交代しないと」
そこまでしないと、というのだ。
「三十六人斬りはね」
「出来ないですか」
「実際は四人位で」
荒木玉右衛門自身もだ。
「とても三十六人なんてね」
「出来なかったんですね」
「包丁だって暫く切ってると切れ味悪くなるでしょ」
「お肉やお魚ですと」
「お肉の血や脂が付いてね」
「だから刀でも」
そちらでもというのだ。
「何人かでね」
「血や脂で、ですか」
「切れなくなるのよ」
「そうだったんですね」
「だから時代劇でも突いてすぐ抜いたり」
木枯し紋次郎がそうしている、敵を突いてその敵を蹴って刀を抜いているのだ。
「刀を紙で拭くのよ」
「血や脂を避ける為に」
「そうしているからね」
「聞くよりもですか」
「見ることよ」
「その方がいいんですね」
「そのことは覚えておいてね」
先生はかな恵に話した。
「そうしてね」
「わかりました」
かな恵は素直に頷きました、そうしてだった。
かな恵は一華達にもそれを伝えようと思った、そのうえで部活を楽しむのだった。
第十話 完
2021・10・15
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