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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてウィステリアは、デビューする
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エリザベートとのアイドル対決まで、残すところあと二日となった。
なったのだが…
「ええ、基礎はバッチリよ。もうどこに出しても恥ずかしくないくらいのアイドルっぷり。ただね…。」
1つ…いや、いくつか忘れていたことがあった。
「ライブを1度もしたことがないのはどうかと思うのよん。」
ライブ。
アイドルにおいてそれは必ずやらなければならない、立たなければならない舞台。
歌って踊って、観客を魅了する場所。
基礎のトレーニングばかりに気を取られていたあたし達はこうして、対決が間近に迫りつつある中そんなことに気がついたのだ。
「ぶっつけ本番で出来るほど、あたしもメンタル強くはないしなぁ…。」
「私もです…。」
歌っては踊れる。しかし、観客の前で踊れるかと言われると些か自信が無い。
香子もそうだ。
「で、どうすんのヘカP」
「忘れていた私にも非はあるわね…ソフィー!何かこの状況にピッタリな子達を呼んで頂戴な!!」
「う、うんわかった!!」
困った、さぁどうしよう。
そんな時はプロデューサーに掛け合うとしようと思ったがあたし達のプロデューサーことヘカPはすぐさまソフィーに頼ったのだった。
「来て…!咲夜さん!」
そうしてソフィーが呼んだのは、アイドル慣れした人でもなく、メンタルが強い人でもなく、
「お呼びになりましたか?ソフィー。」
メイドさんだった。
いや、多分。服装からしてメイドさんだ。
「あなたが紫式部様ですね?先日はパチュリー様がお世話になりました。」
「い、いえ。とても楽しくお話させて頂きました。」
と、香子に気付くとメイドさんはまず礼をする。
そういえば以前、あたしが美鈴さんと鍛錬をしている時、同じく幻想郷にて図書館を持っている魔法使いを呼んでもらって本の話をしたことがあるって聞いた。
やはりメイドさんだし、その人の従者だろうか?
「ごめん咲夜。キミの力を借りたいんだ。いいかな?」
「十分後にお嬢様のアフタヌーンティーが控えておりますが…いいでしょう。時間的にも問題ないので。」
香子に軽く挨拶を済ませ、ソフィーにそう言われると懐から懐中時計を取り出し、時間の確認するメイド。
十分後になんたらとか言っていたけど、たった十分であたし達に何かレクチャーするってこと?
いくらなんでも時間が無さすぎなのでは?
そう思ったが、その疑問はすぐに解決される。
「…では。」
何か、空気が変わった。
「あの…メイドさん?」
「
十六夜 咲夜
(
いざよい さくや
)
。紅魔館のメイド長を勤めております。」
しかし何をしたのか分からない。
幻想郷の人達は皆何かしらの異能力を持っていることは知っているが、一体彼女は何をしたのか?
「
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