ハーケン会戦〜灰獅子隊、出陣〜
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優し気な微笑みを浮かべたリアンヌに指摘されたデュバリィは目を見開いて驚きの表情でリアンヌを見つめた。
「―――――話は以上です。そろそろ出陣の時間です。私に代わり、ヴァンダイク元帥達と直接戦うシュバルツァー少将達への援護も兼ねた見届け役、貴女達に任せましたよ、デュバリィ、アイネス、エンネア。」
「「「イエス・マスター!!」」」
そして表情を引き締めたリアンヌの指示にそれぞれ胸に手を当てて力強く答えたデュバリィ達はその場から立ち去った。
「……やれやれ。頭ではヌシが”リアンヌではない”とわかっているが、それでもリアンヌに見えてしまうのは今のヌシ――――――”シルフィア”という者もリアンヌと並ぶ程の不器用な性格をしている者じゃからかの?」
デュバリィ達が立ち去るとローゼリアが溜息を吐いてリアンヌに近づいて声をかけた。
「フフ、”私――――――シルフィアが不器用な性格”である事に関しては否定しません。……敢えて”彼女”と異なる点で挙げるとすれば、私は”彼女”と違い、”母”でもあるという事でしょうか。」
「そういえば、メンフィルの現皇帝の母親は”シルフィア”であったな……もし、”獅子戦役”の決戦で命を落として”不死者”にならなければ、ドライケルスと結ばれてエレボニア皇帝の跡継ぎの母になっていたであろうことも考えると”リアンヌ”と”シルフィア”は性格だけでなく、”あらゆる部分”でそっくりじゃの。」
苦笑しながら答えたリアンヌの話を聞いてある事を思い出したローゼリアは静かな表情で呟いてリアンヌを見つめた。
「確かに言われてみればそうですね………――――――それで、”貴女の知っているリアンヌの事について”何を知りたいのですか?」
「……ッ!フン、察しが良い事といい、ますますあやつそっくりじゃの………ならば、訊ねさせてもらう。――――――どうしてリアンヌは”呪い”の件について妾に少しでも相談してくれなかったのじゃ……!?リアンヌも、ドライケルスも……!呪いとなればまず魔女じゃろうが……!?」
静かに問いかけたリアンヌの問いかけに唇を噛み締めたローゼリアは鼻を鳴らして呟いた後辛そうな表情を浮かべてリアンヌに問いかけた。
「―――彼は言っていました。『これはあくまで人の業なのだ。平穏を取り戻した人の世ですらロゼに泣きつくようでは”他の至宝”の二の舞、三の舞。生涯を終えようとする老いぼれがあまりに格好がつかぬだろう?』」
「………っ……………!!」
リアンヌを通しての今は亡き友の言葉を聞いたローゼリアは息を呑んだ。
「―――”私”にとっても、これはただの個人的な”意地”でしかありません。大切な友人に、そんなものを背負わせるわけにはいかないでしょう?」
「
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