第十六話―復活の千手柱間
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く前のこと,そして眠っている間に見た夢……柱間はそれらを徐々に思い出す。
「おじーさま。」
周りの人々の中でとりわけ小さい孫娘に気づいた柱間は,ベッドの上からゆっくりと手を伸ばしその頭の上にポンと乗せる。
「ツナ……お主が,ワシの目を覚まさせてくれたのだろう?かたじけない。」
「あなた……。」
「ミト……お主にも,心配をかけてすまなかった。」
「あなた,あなたは何も間違ってはおりません。」
ミトは,自らの夫に対して優しく話す。
その,あたかも全てを見通しているかのような言葉に,柱間も思わずふっと笑みがこぼれる。
「かたじけない……ワシも今しがた……そう思うことに決めた。」
少しずつ目が覚めてきた柱間は,ふと周囲の状況に気が付いた。
「……ん?何やら里の様子がおかしいように感じるが……?」
(……!!)「い,いえ何もございません。どうか今は安静になさってください。」
周囲の忍たちはハッとして,その驚異的な感知能力に舌を巻きつつ何とか誤魔化そうと努める。
しかし,病み上がりとはいえ忍の神を相手に,そう簡単に嘘は通じない。
「嘘を申せ。あちこちでチャクラが乱れておる……それだけではない。里外の者が大勢おるようだ。妙なチャクラも感じる。いったい何が起きておるのだ,申せ。」
先ほどまでずっと眠っていた柱間が,早くも上体を起こす。周りの忍たちは慌ててそれを制止しようと柱間に掌を向けた。
「いえ,その……」
「申せ!」
「う……。」
返答に困り,柱間の鋭い口調に気圧された忍は助けを求めるようにミトの方へ目を向ける。
ミトは小さくため息をついた後,諦めたような表情で静かに頷いた。
それを見た忍は,仕方なく話し始める。
「実は,他里の忍から襲撃を受けておりまして……」
「何だと!こうしてはおれん!」
話を聞き終わらないうちに立ち上がろうとする柱間を,周囲の忍たちはまたしても慌てて止めにかかる。
「お待ちください!いけません,火影様。まだ目を覚まされたばかりです。安静になさらねば……。」
「そういう訳にはいかぬ。ワシはもう決めたのじゃ。里に仇なす者は何びとたりとも許さぬ。止めるでない。」
柱間は少し落ち着きを取り戻した様子で静かに話す。周囲の心配をよそにベッドから降り,柱間は力強く立ち上がった。
「ほ,火影様……。」
「あなた。」
部屋の扉へ向かう柱間に対し,ミトが呼びかける。
「止めるな,ミト。行かねばならぬのだ。」
「ええ,分かっております,あなたの性格くらい……。止めません。どうかお気をつけて。」
ミトはまたしても全てを見通しているような言葉で柱間を送り出す。
自らの夫が戦場で身を危険
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